FacebookとIPO--予測される時価総額に見合う3つの理由 - (page 2)

Rafe Needleman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年02月01日 11時59分

 人々が生の情報を求めてアクセスするGoogleのようなサイトではなく、人々がお互いにつながるために訪れるサイトを運営することには、マイナス面が1つある。それは、ユーザーが広告をクリックする回数が比較的少ないということだ。ただし、ユーザーがサイト上に滞在する時間は検索エンジンと比べて非常に長いので、広告主のサイトに誘導されるトラフィック数は理論上、同程度になるだろう。

 しかし、重要なのはFacebookが目的地として機能するという点だ。Facebookにアクセスする人の数は、ほかのほぼすべてのサイトを上回っている。そして間違いなく、彼らはFacebookにとどまる。

3. 囲い込み

 FriendsterやMySpaceなど、Facebookより先に登場したソーシャルネットワークの実績を考えると、Facebookがハーバード大学の寮でのプロジェクトとして開始されてから8年が経過した今、規模が大きくなったほかのネットワークと同じように、ほとんどのユーザーはFacebook疲れを経験し、大挙してログオフするのではないかと予測する人がいてもおかしくない。

 しかし、ユーザーはそのような行動を取っていない。実際のところ、Facebookは人口統計的な意味でのリーチを拡大させている。おそらく十分に浸透したことが理由で若いユーザーによる利用率の増加は鈍化したものの(ただし、マイナスには転じていない)、50歳以上のユーザーによる利用は急速に増加している(Pew American Life Projectのデータを参照)。家族同士がつながるようになってきている。

 Facebookは現代の生活を構成する1つの要素になりつつある。このネットワークから離れることは、(Google+のような)ほかのソーシャルネットワークに移行すれば済むような簡単なことではない。なぜなら、移行する場合、大部分において1人で引っ越すことになるからだ。そして、ソーシャルネットワークの本質は、1人で行動することではない。Facebookでつながる人(実生活でのつながり)が増えれば増えるほど、去ることは困難になる。Facebookが必死になって人々をほかのユーザーとつなげようとしているのはそのためだ(そして、同社はそれに成功している)。友達が1人増えることは、釣り針のかかりが1つ増えることを意味する。

 このように、広範なリーチと信じがたいほどの利用頻度、乗り換えコストの異常な高さという強力な3本柱で支えられたサイトはFacebook以外にない。ほかの人気サイトはこれらの柱の1つ、または複数に弱点を抱えているため、それ以外の点で強力な事業だったとしても、Facebookのような特別な存在になることはできない。例えば、Grouponの乗り換えコストの低さについて考えてみるといい。あるいは、TwitterのFacebookよりはるかに短い滞在時間や、LinkedInの小規模なネットワークでもいい。

 Facebookはこの3本柱によって成り立っている。そして、それを基盤として、さらに大きくなることができるはずだ。これが、現在のFacebookに非常に大きな価値がある理由である。

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