FacebookとIPO--予測される時価総額に見合う3つの理由 - (page 3)

Rafe Needleman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年02月01日 11時59分

将来の課題

 同社がこうした立場に永遠にとどまることができるかどうかは分からない。そして、Zuckerberg氏のチームがIPO後に気を緩めれば、間違いなく今の立場を失うだろう。Facebookの支配を脅かす要素には、以下のようなものがある。

 広告主のサポート。ユーザーは広告を見るためにFacebookを訪れるのではない。そして、広告主はそれを認識している(広告が関連する情報であるだけでなく、望まれてもいる可能性のある検索エンジンと比較してほしい)。Facebookの広告での実績は向上している。同社の主要な収入源は広告のため、このことは極めて重要だ。

 Zyngaとの関わり。FacebookのIPO書類が公開されれば分かるが、同社の売上高の大部分はZyngaによってもたらされていることが明らかになるはずだ。Zyngaの最高経営責任者(CEO)であるMark Pincus氏はすべてを自分で管理したがる性格であり、自社をFacebookの管理から解放したいと考えるに違いない。同様に、Facebookも売上高のあまりにも大部分をこの単一のゲームプラットフォームに依存しすぎている。両社の提携を維持するのは難しいかもしれない。

 モバイルサポート。Facebookはモバイルアプリを提供しているが、同社のWebサービスと比べれば全く魅力的でない(少なくとも「iPhone」と「Android」ではそうだ。「Windows Mobile」アプリはこれらと異なり、完成度が高い)。モバイルデバイスを使って特定の状況で友達とつながるのなら、チェックインアプリやモバイルレビューアプリなど、もっと優れたソリューションがある。単体でFacebookの全体的な機能やリーチを備えるアプリは存在しないが、Facebookの成長を妨げるユーザーの傾向があるとすれば、それは現代社会のモバイルオンラインコミュニケーションへの移行だろう。

 Google。「Buzz」や「Wave」「Orkut」で失敗を繰り返してきた経験があり、人々のデータベースを所有することの価値を認識しているGoogleが、「Google+」に見切りを付けることはないだろう。Googleはほぼすべての人にGoogle+を提示する能力を備えており、実際にそれを行っている。そのため、同社は9000万人のユーザーを主張できる。関与の積極性はFacebookに遠く及ばないし、追いつくことは決してないかもしれない。しかし、GoogleにはFacebookに対して長期的なキャンペーンを仕掛けられるリソースと戦いの知識がある。

 プライバシーに関わる失態。これは冗談だ。ジャーナリストや政治家、ごく少数の一部のユーザーがどれだけ不満を訴えようと、そしてその人数がどれだけ増えようと、Facebookが同社のポリシーを頻繁に変更し続け、ほかのユーザーや広告主に実際に何を送信しているのか誰にも把握しきれないようにしている限り、プライバシーに関わる失態が大きな問題になることはないだろう。少なくとも米国においてはそうだ。ほかの国々、特にプライバシーに関して厳しい法律を持つ欧州連合(EU)諸国では、Facebookがプライバシー問題で失速するおそれもないわけではない。しかし、Facebookのリソースを考慮すれば、それがFacebookの進歩を妨げる可能性は低いと筆者は考える。

 市場がFacebookのIPOをどう受け止めるのか注目していてほしい。同社は上場を目指して、今週中にIPO申請書類(Form S-1)を提出すると見られている。IPOの実施はその数カ月後になる予定だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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