ヤフーは1月25日、2012年3月期第3四半期(2011年4~12月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.6%増の2221億8100万円、営業利益は同3.4%増の1212億円、経常利益は同4.4%増の1226億9000万円、純利益は同7.6%増の729億5400万円となった。期初には東日本大震災の影響を受けたものの、累計期間では広告売上が増加したほか、ゲーム関連サービスの売上も大きく拡大した。
事業別にみていくと、メディア事業では、通販や人材サービスなどの企業からの出稿が増加したものの、ネット情報サービスの企業からの出稿が大幅に減少し、リスティング広告(広告会社経由)の売上が減少した。一方、ディスプレイ広告全体の売上は増加し、売上高は前年同期比0.6%減の280億円、営業利益は同1.6%減の152億円となった。
BS事業はリスティング広告(ネット経由)の売上が増加したほか、情報掲載サービスでは、「Yahoo! リクナビ」や「Yahoo! 不動産」が売上を伸ばした。また、データセンター関連でもクラウドサービスの売上が大きく拡大し、売上高は前年度比5.9%増の203億円、営業利益は同4.5%増の99億円となった。
コンシューマ事業では、「Yahoo! Mobage」や「戦国IXA」を中心にゲーム関連サービスの売上が大きく伸びた。また「Yahoo! ショッピング」では、スマートフォン経由の取引高が大きく増加するとともに、全体の取引高が12月単月で過去最高を記録した。これらの結果、売上高は前年同期比1.9%増の280億円となったが、Yahoo! ショッピングで積極的に営業施策を展開したことから営業利益は同2.1%減の177億円となった。
同日の会見に出席したヤフー代表取締役社長の井上雅博氏は、米国時間1月17日に辞任を発表した米Yahoo共同創設者のJerry Yang氏について、「これまで17年近く一緒にやってきたので非常に残念ではありますが、これまでのヤフージャパンの成長には大きく寄与してくれた」とコメント。
「日本のインターネットが、米国よりも2年くらい遅れていた時期は、米国での知見を日本に持ってきてもらえたという点では非常に貢献してくれた」とする一方で、現在は日本と米国ではネットやヤフーを取り巻く競争環境にも変化が起きているため、Yang氏の辞任によってヤフージャパンに深刻な影響が起きることはないと説明した。
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