「iBooks 2」の電子教科書--ハードウェア面に潜む導入の課題 - (page 2)

Lindsey Turrentine (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年01月25日 07時30分

 子どもが頻繁に使うハードウェアの寿命はどれくらいだろうか。具体的な数字を出して、例えば3年としてみよう(iPadのスクリーンの壊れやすさを考えると、これは楽観的な数字だと思う)。新しいテクノロジが現行のiPadに取って代わるとき、何が起きるだろうか。その地域はコンピュータメンテナンス技術者を雇って、壊れたiPadを修理するだろうか。わたしの子どもの学校からは保険の先生がいなくなったばかりだ。それを考えると、学校が技術者を雇うとは思えない。

 わたしの予測はこうだ。テクノロジは単に古くなっていき、学校はタブレットのクラッシュやバッテリ持続時間の低下などへの対処に苦労し、やがて導入したすべてのiPadを廃止して、旧態依然の教科書に戻るだろう。以前にも同じ現象を見たことがある。わたしの子どもが通う公立学校は10年前、メディアテクノロジに注力する「通信分野の中心地(communications magnet)」になるため、テクノロジに基づく巨額の助成金を受け取った後、校名を変更した。同校の校長が後にわたしに語ったところによると、助成金で導入したPCとそのネットワークのメンテナンスは持続することが不可能で、最終的にそのプロジェクトのせいで中核的な使命である子どもの教育に集中できなくなったという。

 わたしの義理の父親はカリフォルニア州の学校で、コンピュータのメンテナンスをボランティアで行っている。同校は十分な数のコンピュータを揃えるために寄付金に頼っており、それらのコンピュータの大半に「Windows XP Pro」(それほど古くない)が搭載されているが、ほとんどのマシンのCPUは3~4年前の「Pentium 4」だ。近いうちにデュアルコアチップに置き換えられる予定はない。

 自分でも、それほど懐疑的にならなくてもと思う。自分の子どもたちがテクノロジ環境の整った高校に通い、各教科の最新版の教科書を使って学習できるようになればよいとは思う。私立の学校なら、iPad教科書の実現に必要な資金があるかもしれない。しかし、わたしは公立学校の存在意義を信じている。公立学校にはもっと多くの教師と基本的な設備が必要だ。公立学校すべてにタブレットを供給するのは困難な道になるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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