新しい働き方として注目を集める「コワーキング」。日本でも東京に限らず、全国40カ所以上のコワーキングスペースが活動中だという。このような動きを受けて、各地のコワーキングスペース運営者や利用者らが集まるフォーラムが開催された。
海外では、コワーキングスペースを運営している人たちや関係者などが一同に集まる「Coworking Conference」が毎年開催されている。コワーキング関係者同士のネットワークを作り、今後のコワーキングについて考えるのが目的だ。
その日本版とも言えるイベントが、今回開催された「コワーキング・フォーラム関西2011」だ。兵庫県神戸市にある老舗コワーキングスペース「カフーツ」を運営する伊藤富雄氏の呼びかけのもと、有志が運営を手がけた。
会場は、神戸市後援協力のもと神戸商工貿易センタービルでおこなわれた。フォーラムには、、東京や大阪、京都などのコワーキング運営者をはじめ、愛知や石川、鹿児島まで、全国各地から100人を超える参加者が集まり、さまざまな意見交換がなされた。参加者にはコワーキングに関心のある高校生やワークスペースを研究対象にしている大学院生、これからコワーキングスペースを開設しようと考えている人、さらには行政書士や一般の会社員などの姿もあった。
フォーラム会場には、講演のスペースに加えて、コミュニケーションスペースも用意された。このスペースでは、実際のコワーキングスペース同様、作業をしたり、参加者同士で会話したりすることができた。
また、通常のフォーラムではトークの間の休憩時間が短いことが多いが、同フォーラムでは休憩時間を30分と長くとっていたのが特徴的だった。これは、コワーキング自体がコミュニケーションを重視することから、登壇者や参加者らがしっかりとネットワークを作るためだという。これらのように、フォーラム自体がコワーキングという文化を体験する1つのきっかけとして機能している。
講演スペースではまず、主催の伊藤氏がフォーラムを開催するきっかけや、コワーキングの由来、海外の事例などを紹介した。
続いて、「PAX Coworking」を運営する佐谷恭氏と「下北沢オープンソースCafe」を運営する河村奨氏の両氏が登壇。東京のコワーキング事情について話した。東京ではこの1年で多くのコワーキングスペースが誕生しており、関心の高さがうかがい知れると紹介。併せて、2012年1月に開催される「WORLDWIDE #JELLYWEEK 2012」を紹介した。
コワーキングを語る際、「JELLY」という言葉が使われることが多い。JELLYとは、コワーキングイベントの1つで、スペースを運用するのではなく、カフェや多目的スペースなどでコワーキングを呼びかけ、集まるというもの。コワーキング独特の雰囲気を体験することが目的であり、既存のスペースを利用するため、小規模で始めることができる。
WORLDWIDE #JELLYWEEKは、世界各地で開かれているJELLYをサイト上でマッピングし、世界各地のJELLYイベントを体験することを呼びかける。これによってグローバルにコワーキング利用者同士がつながることを目的としている。前回はまだ日本の参加者が少なかったため、2012年の開催に際して日本から参加者を募ろうと呼びかけた。
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