2012年、デジタルメディア界はどうなる?--Netflixや「iTunes」の今後を占う - (page 2)

Greg Sandoval (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年12月19日 07時30分

 コードカッティングは現実に起こっている。そしてその原因がNetflixであろうとなかろうと、不満を抱いているケーブルテレビ加入者はNetflixの見込み顧客でもある。そうした顧客の大移動が続けば、有料テレビサービスは高いコンテンツ利用料を支払うのに四苦八苦するようになるだろう。DVD事業が消滅しつつある中で、テレビネットワークや映画スタジオがNetflixからの収入を断るのはますます難しくなる。

 2012年も不安定な景気が続けば、そしてケーブルテレビがアラカルトチャンネルのような価値あるサービスを追加せずに、高い利用料をとり続けるなら、2012年末のNetflixの業績は、年初よりも好転しているだろう。Netflixの価値は非常に高い。

 この分野におけるほかの大手企業の勝敗を予想しよう。Appleはこの分野をリードしており、「iPhone」や「iPad」向けに最も人気あるモバイル用ビデオプレーヤーをいくつか生み出しているが、ビデオダウンロードではあまり多くを実現できていない。Vuduは、アラカルト方式で映画を提供しており、使いやすさで好評を博している。Huluはこつこつと取り組みを続けているが、バリュープロポジションという点ではまだ不安定だ。「Hulu Plus」の加入者はNetflixと同程度の利用料を払わなければならないが、いまだに広告が表示される。一方のNetflixには広告がない。

 NetflixのCEOのReed Hastings氏が最大の競争相手とみなしているのがどの企業かということに関係なく、2012年には、AmazonがNetflixを猛追するだろう。「Amazon Prime」は、困難な時期には見逃せない、非常に良いサブスクリプションサービスだ。Amazonは、映画を自分で所有したいユーザーに向けて、購入した映画を同社のサーバに保存できるサービスも提供している。ユーザーは、「Kindle」の電子書籍と同じように、自分のビデオにアクセスできる。

オンラインミュージック

 神聖な存在への冒とくと言われるだろうが、筆者は「iTunes」が2012年に市場シェアを失うと考えている。それは大幅な減少ではないが、楽曲ダウンロードというのは使い尽くされたコンセプトだ。iTunesのソフトウェアは大きくなりすぎ、ユーザーはiTunesにコンピュータの処理能力を独占されることにうんざりしている。Appleはサブスクリプション方式という流行に飛び乗ってはいない。そしてこのサブスクリプション方式こそ、大手レコード会社が消費者を導こうとしている方向だ。

「iPad」でVuduを利用しているところ。ただし、ブラウザ経由であって、アプリではない。
「iPad」でVuduを利用しているところ。ただし、ブラウザ経由であって、アプリではない。
提供:Greg Sandoval/CNET

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