Steve Jobs氏が輝かせたAppleを、王座から引きずり下ろそうとする戦いが始まっている。強大なAppleだが、既に危険にさらされているように思える。
Jobs氏が1985年に同社を追われた後、Microsoftは10年をかけて、同氏が開発に関与した「Mac OS」の技術とユーザーインターフェースの革新に追いつき、そして追い越した。Jobs氏がいない今、Appleは再び市場の明確なリーダーという立場にあり、競合他社がその製品に対抗しようと狙いを定めている。
しかし、Appleの競合企業らは10年もかける気はない。それどころか、GoogleやAmazon、Microsoftは、Intel、サムスン、Hewlett-Packard(HP)、Lenovoなどのパートナーとともに、「iPhone」「MacBook Air」「iPad」といったAppleのヒット商品に真っ向から対抗する優れた製品を携えて2012年を迎えようとしている。
サムスンの「GALAXY S II」や「GALAXY Nexus」など、新世代の「Android」デバイスを手にしてみると、サムスンの携帯電話の売れ行きがiPhoneを上回っている理由や、AppleがさまざまなAndroid端末メーカーを訴えている理由がよく分かるだろう。これらのデバイスはiPhoneにとって極めて大きな脅威だ。スクリーンはiPhoneより大きく、軽さや処理速度も勝っている。
Androidの新版「Ice Cream Sandwich」は、「iOS」の美しさと使いやすさに迫っている。さらに、優れた音楽ストリーミングサービスであるPandoraとSpotifyのアプリの登場によって、「iTunes」ライブラリの囲い込みはあまり機能しなくなっている。実際に、Android向けに公開されているアプリは37万種類を超えており、その中には人々が求めているほとんどのものが含まれている。Appleは「Siri」のような素晴らしい新機能を追加しているが、AppleがSiriを買収したこと、そして基盤となる音声認識技術を提供しているのはNuanceであることを忘れてはならない。Androidには既に同様のアプリがあり、Microsoftの「Tellme」も大きく後れを取ることはないだろう。
結論:これらの最新機能が登場する前から、AndroidはiOSより売れていた。この戦いにおけるAppleの立場は弱まりつつある。
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