タブレットはAppleが圧倒的に優位に立っている分野だ。同社は80%の市場シェアを誇る。Android陣営の競合他社は苦戦してきたが、AmazonのAndroidベースのタブレット「Kindle Fire」は価格が安い(199ドル)ため、2012年はiPadより売れる可能性がある。AmazonはKindle Fireを本格的なタブレットではなく、安価なコンテンツ消費デバイスと位置づけている。また、ユーザーに後からAmazonで映画やアプリ、物理的な商品を購入してもらう代わりとして、Kindleの価格を低く設定している。
Kindle FireがローエンドからiPadを少しずつ浸食していく一方で、500ドル以上のハイエンドの価格帯では、ウルトラブックとネットブックのフォームファクタと、Windows 8の「Metro」をベースとする本格的なコンピュータが、iPadと競合するようになるだろう。これには回転式のスクリーンや着脱式キーボードを備えた、超軽量ノートPCとタブレットを事実上統合するハイブリッドも含まれる。
結論:iPadの優位は2012年の終わりまで続くだろう。しかしその後、iPad はローエンドではKindleから、ハイエンドでは本格的なタッチスクリーンPCから締め付けを受ける。
もちろん、Appleも黙っているわけではない。Jobs氏が向こう数年間の製品プランを遺したとうわさされている。また、大方の見方では、Appleが近いうちにテレビセット事業に乗り出すとされている。ガジェットに対する同社のビジョンに消費者をさらに引き込むためだという。Appleは、莫大な生産量によって、競合他社よりも先にスクリーンやプロセッサなどの次世代コンポーネントを入手できる。
しかし、テクノロジはかつてない速さで進化しており、競合他社が追いつくのにそれほど時間がかからなくなっている。Appleの究極的な属性、つまりデザインと「センス」はファッションと言ってもいいほどのものだ。そしてファッション業界と同様に、新境地を開拓した者が市場を支配するとは限らない。先駆者であることが意味するのは、コピーされるということだけだ。H&MがPrada風のデザインをPradaよりもはるかに多く売っていることを思い出してほしい。
CBS Interactiveの最高技術責任者(CTO)。過去にはEコマースおよびマーケティングインフラストラクチャを手がける企業4社を創設し、最高経営責任者(CEO)を務めた。10歳でゲームやユーティリティのプログラミングを始める。VentureBeatやBusinessWeek、AdWeek、InfoWorldなどに寄稿してきた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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