AppleとHTCの長期にわたる法的な争いが、幾分の進展を見せるかもしれない。米国際貿易委員会(ITC)が来週、重要な決定を下す予定だからだ。その決定内容によっては、HTC製品の米国への輸入が禁止される可能性がある。
両社は1年以上にわたって激しく争っており、互いに相手が自社のテクノロジを違法に利用していると主張している。この争いは、Googleの「Android」OSに対するAppleのさらに大きな不満の縮図だ。したがって、ITCの決定はGoogleのAndroidパートナーすべてに重大な影響を及ぼす可能性がある。Androidパートナーの多くは、それぞれがAppleと係争中だ。
ITCの決定は米国時間12月6日とみられていたが、14日に延期された。
さまざまな訴訟が起きており、非常に分かりにくくなりがちだ。そこで今回はHTCとAppleの法的な争いと、それがユーザーにとって意味するものを簡潔に解説しようと思う。
--両社はなぜ再び争っているのか。
Appleは2010年3月、「iPhone」で広く使われているテクノロジを違法に使用しているとして、台湾企業のHTCを初めて訴えた。それが多くの法的な争いの始まりだった。HTCはすぐに、AppleがHTCのテクノロジを使用しているとして反訴した。
問題となっている4件の特許のうち、2件はAppleに有利な方向に傾いている。1件は「コンピュータ生成データ内の構造でアクションを実行するためのシステムと方法」で、ユーザーはこれを使用して、タッチスクリーン上の数字をタップしてダイヤルパッドを起動することができる。また、「連続的に送信されるデータのためのリアルタイム信号処理システム」は、システムアーキテクチャに関する、さらに広範な特許だ。
Appleはそれ以来、ほかのAndroidパートナーも提訴しており、その中にはサムスン電子などの大企業も含まれている。
--なぜAppleは多くの企業に争いを仕掛けているのか。
Appleは、「iOS」の特徴の多くをAndroid OSがコピーしたと考えており、自社の領域を守ろうとしている。Appleの創設者で前最高経営責任者(CEO)の故Steve Jobs氏は、自社の特許保護に関して強硬路線をとっていた。そして、ほかのテクノロジ企業と同様に、Appleも積極的に自社の知的財産を保護してきた。
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