その一方で、HTCはAppleに対して法的な攻撃を続けるだろう。HTCは9月、Googleから買収した特許を使って、内容を修正した別の訴訟を地方裁判所とITCに提起している。
--GoogleのほかのAndroidパートナーにはどのような影響があるのか。
Appleに有利な決定が下された場合、ワイヤレス業界全体に影響が波及するだろう。なぜなら、HTCの機能について提訴することは、事実上すべてのAndroidパートナーを提訴することになるからだ。
Appleと法廷で最も多く争っているのはおそらくサムスンだろう。両社の法廷闘争は、米地方裁判所やITC、世界中のさまざまな裁判所が舞台になっている。Appleはいくつかの訴訟において「GALAXY Tab」の販売を一部市場で差し止めることに成功し、サムスンは代替デザインを出すことを余儀なくされた。しかし先ごろ、米地方裁判所の判事がAppleによるサムスン製品の販売差し止め請求を棄却し、サムスンは勝利を収めた。とはいえ、AppleがHTCを相手に勝利を収めれば、すべてのAndroidパートナーにとって敗北を意味するだろう。
一方、Googleは125億ドルでMotorola Mobilityと同社の特許を買収することに合意し、Appleから自衛するための法的な武器を手に入れた。
--では、これがAndroidの終わりを意味する可能性はあるのか。
それはない。Appleが特許を使ってAndroidの支配に反撃できるようになるまでには、まだまだやるべきことが多い。
「Appleに有利な決定が下されれば、同社にとって重要な前進となるだろう。しかし、同社がAndroid全体、特にHTCに巨大な影響を及ぼすためには、もっと多くの特許権を行使する必要がある」(Mueller氏)
--ユーザーにはどのような影響があるのか。
最悪のシナリオは、ITCが禁輸措置を実施して、上訴が棄却され、AppleがHTCとの交渉を拒否することだ。実際にそうなる可能性は極めて低いが、そうなってしまった場合、大量のHTC製品が米国の店頭から姿を消し始めるだろう。
Sprint Nextelの「Evo 3D」やVerizon Wirelessの「Rezound」が好きな人は、早めに入手した方がいいかもしれない。HTCが米国での発売を予定している将来の携帯電話のフラッグシップモデルも、新しいデザインが承認されるまで、発売中止になる可能性がある。
とはいえ、最悪のシナリオは決して最も可能性の高いシナリオではない。したがって、最新かつ最高のHTC携帯電話の登場を待ちわびている人に言っておくと、その機種は準備が整い次第、米国で発売される可能性が高い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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