Hewlett-Packard(HP)は米国時間11月21日、事前の予想を上回る2011会計年度第4四半期の決算を発表し、同社に対する懸念や先行きが不安な中で事業を安定させられるかという懸念を和らげた。
HPの発表によると、第4四半期の売り上げは321億ドルで、純利益が2億3900万ドル(1株当たり12セント)だ。前年同期は売り上げが333億ドルで、純利益が25億ドル(1株当たり1.10ドル)だった。今四半期における非GAAPベースの利益は1株当たり1.17ドルだった。ウォール街の予想は、売り上げを320億5000万ドル、1株当たりの利益を1.13ドルとしていた。
HPが発表した非GAAPベースの数字には、「webOS」事業の閉鎖やリストラなどの費用21億ドル(1株当たり1.05ドル)が計上されている。HPは、「第4四半期における非GAAPベースの利益の情報は、webOSデバイス事業の閉鎖、営業権と購入した無形資産の損金、購入した無形資産の償却、リストラの費用、および買収関連費用などに関連する、税引き後21億ドル(希釈化後1株当たり1.05ドル)の費用を除外したものだ」と説明している。
webOS端末事業の閉鎖に伴い計上された費用には以下が含まれる。
また、2011会計年度通期については、売り上げが前年比1%増の1272億ドル、利益が71億ドル(1株当たり3.32ドル)と発表された。
今後の見通しについて、HPは2012会計年度第1四半期における非GAAPベースの1株当たり利益を83~86セントと予想している。ウォール街の予想では、1株当たり1.11ドルとなっている。2012年度通期では、非GAAPベースの利益を1株当たり4ドル以上とHPは予想している。ウォール街の予想は1株当たり4.54ドルというものだったが、これらの数字を信じているアナリストはほとんどいなかった。
HPの決算を事業部門に詳しく見てみると、心配な傾向がいくつか見つかる。まず、企業向けストレージ、サーバ、ネットワーキング部門が苦戦しており、営業利益も売り上げも減少している。
イメージングおよびプリンティング部門は、第4四半期の営業利益が8億800万ドルで、前年同期の12億2000万ドルから減少した。HPのプリンティング事業は、かつてほど利益が上がる事業ではなくなっている。実際に、第4四半期はインクサプライの売り上げが14%減少した。
一方、サービス部門は売り上げを伸ばしたが、第4四半期の営業利益は前年同期の15億ドルから11億8000万ドルに減少した。
これらの部門に対して、PC部門はあまり心配する必要がなさそうだ。同部門の営業利益は5億7800万ドルで、前年同期の5億6800万ドルから増加している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」