崇高なものからおかしなものまで、タブレットの体験を求めているなら、「Adobe Creative Cloud」と6種類のタブレット向けアプリ「Adobe Touch Apps」を試すといい。
米国時間11月15日にベータ版が登場したCreative Cloudは、Adobe Systemsの分散型デザインエコシステムが誕生したことを示している。そしてそれは幸先の良いスタートを切った。「Adobe Carousel」やAppleのiCloudにさえ備わっている同期機能がないのは残念だが、デザインファイルやイメージファイルの形式で作業するためのインテリジェントな共有機能を提供している。
アプリから直接アップロードやダウンロードをする機能はあるが、デスクトップ用のウェブインターフェースも存在する。このウェブインターフェースはまた、Adobeが2012年にiOS用アプリをロールアウトするまで、一時的にiOSデバイスにも対応する。ウェブインターフェースには、さまざまなAdobeファイル形式をオンザフライで表示する機能や、「Adobe Photoshop」ファイルのレイヤの表示/非表示、画像から引き出した「Adobe Kuler」のカラーテーマを自動で生成、表示する機能などがある。
ただし、奇妙なことに、ウェブインターフェースではファイルのごく基本的な情報しか表示できない。例えば、画像サイズやEXIF情報は表示されない。また、電子メールでリンクを送信し、コメントを受け入れるという、非常に基本的な共有が可能だ。現時点では、アプリで使える無料スペースは20Gバイトまでに制限されている。アプリをいくつ購入したかにかかわらず、合計で20Gバイトだ。だが、ユーザーのAdobe IDに紐付いているCreative Cloudを使用するために、アプリを購入する必要はなさそうだ。ただ、この状態がベータ期間を過ぎてもそのままかどうかは分からない。Creative Cloudへのサインアップはこちら。
一方、個々のアプリはベータ版ではない。これらのアプリは十分に調整されたもので、少なくとも10ドルは払って入手するような製品だ。今のところ「Android 3.1(Honeycomb)」でしか動作しないこと、そして3.2との互換のためにはアプリのアップデートが必要だとAdobeが言っていることを考えると、しばらくの間は幅広く採用されることはないだろう。AdobeがAndroid版を最初に出荷して、iOS版を2012年初めまで提供しない理由については、誰にも分からない。
おそらく最も待ち望まれていただろうアプリ「Adobe Photoshop Touch」は、多くのユーザーを喜ばせるはずだ。このアプリはPhotoshopがまだ基本的に画像のレタッチと合成のためのツールだった初期のころを思い起こさせるもので、補正、特殊効果、変形、文字、グラデーション、フェード、ゆがみ、ブラシ、複写、修復など、強力な機能を程よく備えている。Photoshop Touchは、Adobeがもっと価格を高くしても許されただろうと筆者が考える、数少ないアプリの1つだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」