Adobeが写真共有の不便な点についてユーザーに尋ねたとき、同社はクラウドソリューションの提供を予定しているのではないかと話題になった。そして米国時間9月7日、ついにその製品が発表された。「Adobe Carousel」はユーザーの全てのApple製デバイスに保存されている写真を自動的にアップロード/保存/同期し、共有可能なギャラリー(Carousel)の作成機能も提供する。
Carouselはユーザーの画像をインポートする際にデータベースを作成し、そのデータベースを全てのデバイスで同期するという点で、ほかのフォトオーガナイザーとある程度同じように機能する。それぞれの画像を独自のサーバへコピーする機能も備えており、このサーバはユーザーの全写真の中央レポジトリとして機能する。これらのデータベースはAdobeが開発した新しいイメージング用メッシュテクノロジに基づいて、写真に加えられた編集に関する情報も含む。変更点はユーザーが画像を閲覧するときにリアルタイムで適用されるため、ファイルが破壊されることはない。共有されている写真の間で、ファイルを破壊することなく変更点を同期することも可能だ。Carouselはユーザーが編集目的で画像を開いたとき、オリジナルファイルをデバイス上にキャッシュする。Carouselは優れたメモリ管理機能を備えているので、巨大な画像を編集するときも問題はないとAdobeは述べる。
ユーザーがインポートできる写真の枚数に制限はないが、Carouselの数は5個までに限られており、それぞれのCarouselを共有できる相手も最大5人までだ。ほかのユーザーのCarouselを閲覧するのにサブスクリプション契約は不要だが、自分のCarouselを作成する際には必要だ。
Carouselでは、画像にタグを付けて検索しやすくしたり、基本的な補正(ホワイトバランスや露出、コントラスト、ハイライト、シャドー、バイブランス、明瞭度、クロップ、回転)を実行したりすることができる。さらに多数の特殊効果も利用することが可能だ。
7日に実際に使用するまで筆者の意見を述べることは控えるが、2012年まで「Windows」と「Android」のサポートが提供されないことなどは指摘しておきたい。さらにApple製デバイスも全てがサポートされるわけではなく、「iPhone 3GS」「iPhone 4」「iPad」「iPod touch 4G」「OS X Lion」搭載のMacのみに限られている。
最後になるが、Adobe Carouselの利用料は安くはない。30日の無料試用期間が用意されているが、その後は2012年1月まで年額59.99ドルか月額5.99ドルを支払う必要がある。それ以降は、利用料が年額99.99ドル、月額9.99ドルに値上がりする予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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