「iPhone 4S」でしか「Siri」を利用できないという状況は、長く続かないかもしれない。少なくとも非公式的には。
「iPhone 4」や「iPod touch」を含むAppleの旧式デバイスでSiriを機能させる試みは、Appleのセキュリティをすり抜けるという最大の難関を突破したようだ。
先週末、Appleを追跡している9to5macブログがiPhone 4上でスムーズに動作するSiriの動画を掲載した。この動画を提供したのは、アイルランド人のiPhoneハッカーSteve Troughton-Smith氏だ。Troughton-Smith氏は10月、iPhone 4にSiriをインストールするデモを披露したが、そのときはiPhone 4でクエリを実行することができなかった。
Troughton-Smith氏は先週末に行われたインタビューで9to5macに対し、正常に機能するバージョンのハックは、Appleの第4世代iPod touchを含む複数のデバイスで動作すると述べた。このハックは、同氏が「われわれの配布すべきものではない」と述べた「iPhone 4Sの複数のファイル」と、「ジェイルブレイクされたiPhone 4Sからリアルタイムに抽出されたiPhone 4Sの認証トークン」を使って達成された。
言い換えると、Appleが快く思わないであろうことが水面下で起きている。正常に機能するハックが公開された場合、同社が防御策を講じる可能性は非常に高い。しかし、この件に関して重要なのは、ハードウェア面での障壁はないように思えることだ。
動画を見ると、Troughton-Smith氏がハックを施したiPhone 4でSiriが正常に機能していることが分かる。
Troughton-Smith氏はこのハックを公開する可能性やその時期について、ジェイルブレイクされたiPhoneのユーザーが入手してインストールできるようにパッケージングするつもりはなく、その作業はほかの人に任せると述べた。
Siriは10月のiPhone 4S発表時に披露された。この機能を利用すると、iPhone 4Sユーザーは本体に話しかけて、命令を発することができる。その命令は3GまたはWi-Fi接続によってAppleのサーバに送信された後、命令として本体に返信される。このプロセス全体に必要な時間はほんの数秒だが、AppleはSiriが旧式のデバイスから利用されないようにするために、iPhone 4SとAppleのサーバ間のハンドシェイクにプロセスが完全に依存するようにしており、Siriが接続できないときはさまざまな問題が発生する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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