ここで重要なのは、Steve Jobs氏はテクノロジを愛するのと同様に、音楽、世界の文化、哲学など人生の他の面についても強い興味を持っており、それらの領域で得た人生経験が、テクノロジに対する人間中心のアプローチに大きな影響を与えていたということだ。
Jobs氏はリード大学を中退した後、インドに旅行することまでしている。彼が求めていた悟りは得られなかったが、その旅は彼が自分の人生で何をしたいかという考えを固める役に立ち、アメリカに戻ってから彼が及ぼしたインパクトにも影響を与えた。インドへの旅の途中、Jobs氏は、「トーマス・エジソンは、世界を良くするためには、カール・マルクスとNeem Kairolie Baba氏を合わせたよりも大きな仕事をしたのかもしれないと考えるようになった」と述べている。
もちろんこれらはすべて、リベラルアーツと幅広い人生経験が、物事を大きく捉え、人生を多くの視点から理解し、自分が情熱を傾けられるものを多く見つけるために役立つことを示すものだ。
読者がすでに学位を取得していたり、キャリアの途中であったり、あるいは単に旅に出たり学校に戻ったりする予算や自由がないのなら、Jobs氏と同様にもっと草の根的なアプローチを取ることもできる。博物館に行ったり、非営利団体でボランティアをしたり、太極拳を習ったり、外国語を学んだり、絵を描くなどのなんらかのクリエイティブなことをしたり、小説を書いたり、楽器を演奏したりするのだ。旅はチャンスがあるときにすればいい。
感覚的なものに聞こえるかもしれないが、創造的に考え、人間が道具にどうアプローチできるかという観点からテクノロジを見たいのであれば、これこそ必要なものの考え方だ。Steve Jobs氏の人生とキャリアがその証拠であり、次の100年で、どれほど彼が時代を先んじていたか、どれほど多くの企業がテクノロジを人間を中心とする彼のアプローチを模倣しようとするかが明らかになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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