「Windows」の起動時間短縮にかけるMSの取り組み--「Windows 8」のハイブリッドな手法 - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年09月13日 14時56分

 ただ、Microsoftは30台のPCで起動時間がある程度、または大幅に向上したことを示す興味深いグラフを公開している。

 これらの例がどれだけ実情を反映しているかは不明だ。例えば、これらのシステムのうち、標準的なユーザーがインストールしているゲームやワードプロセッサ、ユーティリティ、プリントドライバ、ウェブブラウザを搭載しているものは何台あったのだろうか。また、同グラフにおけるWindows 7の最長起動時間は約73秒となっているが、筆者のクアッドコアのDell製ノートPCがユーザーセッションの開始も含めて安定するまでにはそれ以上の時間がかかる。

 Aul氏は新しいプロセスにおける多くの変更点を詳細に説明しているが(さらに詳しい情報へのリンクはこちら)、簡潔に言うと、Windowsは完全な再起動を行う間も、システム休止のテクノロジによってOSのより深いところにあるカーネルコンポーネントを保持している。

 もう少し分かりやすく説明するために、ユーザーがWindowsマシンの使用を停止したときのマシンの動作について、3つの可能性を以下に紹介する。

  • スリープは一部のハードウェアを停止させるが、マシンは比較的アクティブな状態を維持している。例えば、コンピュータはメモリ上で起動状態に保たれている。つまりコンピュータはスリープから迅速に再開することが可能だが、スリープ中も電力を消費する。
  • 休止状態はメモリの中身を圧縮した形式でハードドライブに保存する。このプロセスには長い時間がかかるが、休止状態中の電力消費を低減することができる。休止状態ファイルをディスクから再び読み取り、展開してメモリにロードし直す必要があるため、再開には時間がかかる。
  • マシンをシャットダウンすると、実行中のすべてのプログラムとOSのプロセスが停止する。これにはしばらく時間がかかることがある。再び起動するとすべてがゼロから読み込まれ、ハードウェアとソフトウェアが再初期化される。この作業にも長い時間を必要とする。

 新しい再起動プロセスでは再起動の実行前からOSのコア部分を保持するが、ハードウェアを初期化して、ドライバをゼロから読み込み、ユーザーログインセッションを最初から開始する。

Microsoftのデータは、30台のWindows 7搭載マシンが、Windows 8によって起動が速くなったことを示している。
Microsoftのデータは、30台のWindows 7搭載マシンが、Windows 8によって起動が速くなったことを示している。
提供:Microsoft

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