デジタル文書に使用される標準規格PDFの開発元であるAdobe Systemsは、電子署名技術を専門とする企業EchoSignを買収した。
この動きからは、Adobeが同社の文書処理ソフトウェアに新しい機能を追加する予定であることがうかがえる。電子署名は、文書のスキャン、FAX、郵送といった紙ベースの作業に煩わされることなく、文書に署名することができる技術として何年も前から存在するが、広く浸透するまでにはいたっていない。
当然ながらEchoSignとAdobeは、この状況を変えたいと考えている。Adobeは、自社製品について、Microsoftの「Office」のようにビジネスコンピューティングの深い部分にまで浸透させることに注力しており、EchoSign買収はその取り組みの一環である。
EchoSignの最高経営責任者(CEO)を務めるJason Lemkin氏とAdobeの「Acrobat」事業担当ゼネラルマネージャーを務めるKevin Lynch氏は米国時間7月17日夜の共同声明で、「われわれはともに、電子署名を、人々が文書に署名し、契約を自動化するための標準的な方法とすることを目指す」と述べた。「AdobeのPDFソリューションおよび文書交換サービスプラットフォームはこれまで、翌日配達便のような非効率的な紙ベースのワークフローを合理化された電子的なワークフローに変換する組織を支援してきた」(Lemkin氏とLynch氏)
カリフォルニア州パロアルトを拠点とするEchoSignは、中小規模の企業向けのサブスクリプションサービスを展開しており、また、企業が文書の送付、追跡、署名のための自社の手続きに署名技術を統合するためのAPIも提供している。
EchoSignの技術は、Adobeの数製品に組み込まれる予定である。「EchoSignのソリューションは、ファイル転送管理のための『SendNow』、フォーム作成のための『FormsCentral』、オンラインサービスの『CreatePDF』など、Adobeの他の文書サービスに統合される予定である」と両氏は述べた。
買収条件は公表されていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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