Adobe Systemsは「iOS」と「Android」を優先すべきという決定を下し、Linux向け「AIR」プログラミング基盤の同社バージョンのリリースを停止した。
AIRは「Flash」とウェブブラウザを組み合わせ、プログラマーがソフトウェア実行基盤のAIR「ランタイム」を備えたあらゆるシステム上で動作するスタンドアロンソフトウェアを開発できるようにする。AIRはクロスプラットフォームテクノロジで、例えば人気の高いAIRアプリケーション「TweetDeck」を「Mac OS」と「Windows」向けに別々にプログラムし直す必要がない。
しかし今週リリースされる「AIR 2.7」以降、AdobeはAIRのLinuxバージョンの開発を停止するため、同テクノロジのクロスプラットフォーム性は若干薄くなる。その代わりに、同社はパートナーがLinux向けAIRを独自に開発することを期待している。
Adobeはブログ投稿で、「われわれは今後、デスクトップLinux向けAdobe AIRおよびAIR SDKの弊社バージョンをリリースしないが、1社または複数の弊社パートナーが続けてくれることを期待している」と述べた。
Adobeは2010年にAppleがAIRベースのアプリケーションをiOSデバイスから排除したことをめぐり激しい論争を公然と繰り広げたが、今回の動きはその時と大きく異なっている。Appleは最終的に譲歩してAIRベースのアプリケーションを受け入れたが、「Flash Player」自体は未だにiOSデバイスから閉め出している。
AdobeはFAQ(PDFファイル)で、Linuxは現在、AIRに関する活動が行われている場所ではないということだと述べた。
「弊社の顧客は、スマートフォンやタブレット向けのアプリケーション開発に注力している。そして、われわれはそうしたデバイス市場向けの新機能およびプラットフォームサポートへ投資を向けている」(Adobe)
AdobeのデベロッパーエバンジェリストであるRenaun Erickson氏によると、AIR 2.7の主な特徴の1つはiOSデバイスにおけるパフォーマンスの改善で、処理速度が最大4倍に向上しているという。2.7ではほかにも、マイクのノイズキャンセレーションを含むFlash Player 10.3の複数の機能や、Android上でAIRランタイムをSDカードに移動できる機能が追加されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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