Verdi氏はFirefoxがAndroidの標準ブラウザと比べてページのロードがいかに遅いかを示す動画(「WebM」形式)を投稿しており、同氏所有の「HTC Desire HD」では、Androidブラウザの7.5秒に対してFirefoxは16.9秒であった。
Mark Finkle氏は、Fennecがメモリから外される可能性を減らすため、メモリキャッシュから極力多くのデータを排除するようにするよう提案した。モバイル市場向けのFirefoxの提供が容易ではいかないことは明らかだ。Mozillaはさらに挑戦的に違いないもう1つの試み、つまりモバイルOS全体への挑戦を始めている。
Mozillaの「Boot to Gecko(B2G)」プロジェクトは、ウェブブラウザを直接ブートさせるモバイルOSの開発を目的としている。ブラウザは、現状のネイティブなモバイルアプリが可能な機能(通話など)に対応する十分なプログラミングインターフェースを実装する。
これらを動かすのは、「Gonk」と呼ばれる必要最低限のものだけを搭載したバージョンのAndroidだ。アプリケーションはLinuxやAndroidのJava風の環境で動作するものではなく、ウェブアプリケーションとなっている。
ユーザーや携帯電話メーカーにそれらのソフトウェアを利用させることは、Android版Firefoxを採用させることよりもさらに困難な挑戦にみえる。だが、たとえMozillaの製品が業界の主流にならなくとも、業界に対して健全な影響を与えることになるだろう。
B2Gの試みは、ネイティブアプリケーションに対する競争力のアップに寄与するなど、あらゆるモバイルデバイスにおけるウェブアプリケーションの促進に役立つかもしれない。そして、Androidに対する試みはウェブ開発者に対して、WebKitのバリエーションではないウェブ標準用のプログラミングを促進するものとなり得るかもしれない。
それについて言えば、Mozillaに選択の余地はない。モバイルコンピューティングはテクノロジ業界の最先端であり、市場に背を向けて自らの意義を濁らせるよりも、リスクの高いプロジェクトに取りかかるほうがいい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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