Firefoxの動作が、AndroidのJava風インターフェースのような上位層のレイヤではなく、スマートフォンのハードウェアのネイティブコードに部分的に依存しているという事実は、プログラミング上の課題を生んでいる。Mozillaは、Firefoxが動作しないAndroidデバイスを多数確認している。
AppleがOS内蔵の「WebKit」エンジンを使用しないあらゆるブラウザをiOSから排除しているため、Firefoxにとって最大の希望は断然Androidだ。しかしそこでも、Firefoxをインストールして使ってもらうために、Mozillaはユーザーを説得しなければならないだろう。
ブラウザを試してもらい、そして他に抜きんでるためには、メーカーにブラウザをプレインストールしてもらうというOperaが実施したような手もある。「OEM(携帯電話メーカーのような相手先ブランド製品の製造会社)などのわれわれのビジョンを共有する人々との協働には、確かに興味がある」とMozillaは語る。
だが、そうしたパートナーが興味を抱くのは、オープンなウェブというMozillaのビジョンよりも金銭的利益の追求であるのが常だ。そして、それらパートナーに対しては、モバイルブラウジングにおいて本来得るだろう体験以上の非互換性を原因として、顧客が混乱したりや不満を持ったり、束縛を感じたりすることがないというのを保証する必要があるだろう。
Mozillaが注視している1つの指標が、「Android Market」におけるFirefoxに対するフィードバックだ。ここのレビューでは5点満点中平均3.5点で一般的に好評価となっているが、「Dolphin Browser HD」や「Opera Mobile」「Opera Mini」の評価はみな4.5点と、Firefoxが後を追うかたちとなっている。Android版Firefoxで最も不満とされているのが「動作が遅い」ことで、さらにAdobe Systemsの「Adobe Flash Player」をサポートしていない点も指摘されている。このブラウザプラグインは一般的なコンピュータでは広く使用されているが、モバイルデバイスではその限りではない。
とはいえ、Mozillaはそうした問題に取り組んでいる。また、6週ごとにリリースを行うラピッドリリースという開発プロセスにも着手しており、着実かつ頻繁な変更が行われるとみられている。次期バージョンであるモバイルデバイス用「Firefox 7」では、ウェブプログラマー向けの数多くの新たなインターフェースと、ユーザー向けのテキストのコピー&ペースト機能が実装される。
改善が期待される点の1つが、バッテリ持続時間を延ばすための消費電力の低減だ。MozillaのプログラマーであるBenjamin Smedberg氏は8月初めのブログ投稿で、「Mozillaでは、小型デバイスにおける電力消費の測定と調整の経験を持ったボランティアおよび有給従業員候補の両方を探している」と語っている。
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