改善が期待されるもう1つの点がUIだ。Android版FirefoxはAndroid独自のインターフェースと徐々に親和性を高めてきており、Android搭載タブレット向けの改良が現在の最優先事項となっている。
Androidの標準ブラウザに対する大きな潜在的メリットが、その開発速度だ。Androidの標準ブラウザの動作は比較的遅いほか、Googleの「Gmail」や「Google Map」と違いアプリケーションとしてOSと切り離されてはいない。アプリであれば、Android Marketからアップデートが可能だ。
ウェブ開発者でありブラウザの専門家でもあるDion Almaer氏は8月29日のブログ投稿で、「私にとって、Android用WebKitはモバイル開発における『Internet Explorer 6』と呼ぶのに最も近いものだ」と、登場から10年が経過してもいまだ広く使用されている、ウェブプログラマーが嫌悪する「Internet Explorer」バージョンに言及して語っている。「非常に多くの人々が古く断片的なバージョンのAndroidを使っているため、事あるごとに頭を悩ませる問題ばかりの古いバージョンもサポートしなければならない」(Almaer氏)
だが、Mozillaにとって不幸なのは、FirefoxとAndroidの標準ブラウザを比較した場合、モバイルOSのメモリ不足の管理方法を原因とする固有の欠点があることだ。
より多くのメモリが必要となった場合、アイドル状態のアプリケーションはアクティブメモリから外される。だが、Firefoxの開発者であるMike Hommey氏によれば、Androidの標準ブラウザに使用されているWebKitブラウザエンジンは基本的に「あらゆるAndroid用アプリケーション」によってメモリ内に保持され、アクティブメモリ内に保持されるという。そしてFirefoxがメモリから外された場合、ウェブページのロードにはブラウザをメモリにリロードする必要がある。
この「コールドスタート」によって、Android版Firefoxのユーザーはメモリへのリロード中にブラウザのスプラッシュ画面に戻されてしまう。MozillaのサポートコンテンツマネージャーであるMichael Verdi氏は、これを苦痛に感じ始めているという。
「携帯電話のブラウザを使用したやり取りの大半は、電子メールや『Twitter』『Facebook』、その他多くのアプリケーションからのリンクをたどっている」とVerdi氏はMandelin氏に応えて語っている。「Firefoxにとってコールドスタートがやむを得ないとしたら、つらいことだ。そして問題なのは、毎回コールドスタートを余儀なくされることにある。私は1日に何回あのロゴを見ているだろうか(6回?8回?)。もはやあのロゴに憎しみを感じ始めている」(Verdi氏)
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