そして、Appleの「iOS」やMicrosoftの「Windows Phone」といった主要なモバイルOSへの自社ブラウザの供給を阻まれているMozillaは、ブラウザの枠にとどまらない動きも見せている。
「スマートフォンやタブレットは、10億人の潜在的購買層が時と場所を問わず自分だけの体験を求める場となる」。Mozillaの製品担当バイスプレジデントであるJay Sullivan氏が2011年に入って発表したビジョンステートメントで、Mozillaはそう記している。「将来のインターネット活動に大きな影響を及ぼすためには、主要なOSに当社のブラウザエンジンの搭載が許されようとされまいと、それらOSに対して価値を提供しなければならないだろう」
そうしたOSの障壁によって、開発コード名「Fennec」と称されるモバイル用Firefoxの普及への地盤固めは一層困難になっている。
Fennecが最初にリリースされたのは、Nokiaの「Maemo」とMicrosoftの「Windows Mobile」という2つのOSであった。MaemoはNokiaが同プロジェクトをIntelのモバイルLinuxプロジェクトと統合させたことで「MeeGo」となったが、Nokiaの大規模な再編のなかでMeeGoは忘れ去られている。
一方のMicrosoftは、「Windows Mobile 6.5」を徹底的に見直して「Windows Phone 7」を作り出した。そして、この交代の1つとして、Firefoxを動かすために必要なソフトウェアインターフェースが削除された。
別の候補であるResearch in Motion(RIM)の「BlackBerry」OSも、有望とはみられていない。RIMは先週、「BlackBerry」タブレット用ネイティブコード開発キット(NDK)のクローズドベータテストを開始したが、同社の米CNETに対する声明によれば、現在開発中のFirefoxのようなブラウザを携帯電話で有効化するする予定はないという。
同社は声明で、「目下のところ、BlackBerry OS用のNDKをリリースする予定はない。当社のプラットフォームで動作させるためには、Javaでの記述が必要となる。現在までに、『Opera』や『BOLT』、その他のブラウザがBlackBerryスマートフォンに移植されている」と述べている。
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