「Android」の無印ブラウザは、再び「WebKit」集団の仲間になろうとしている。
Android搭載の携帯電話機やタブレットで単に「Browser」と呼ばれるこのソフトウェアは、WebKitと呼ばれるオープン・ソース・ブラウザ・エンジンをベースにしている。ブラウザとWebkitは長く別々の道を歩んでいたが、現在Googleは両プロジェクトの再統合を図っており、Androidでも「Chrome」ブランドのブラウザがリリースされる可能性を示唆している。
GoogleのAndrei Popescu氏は米国時間8月22日、メーリングリストのメッセージで「WebKitコミュニティーとのより良いコラボレーションを楽しみにしている」と語っている。これはChrome開発チームの新メンバーであるPeter Beverloo氏によって伝えられ、TechCrunchに掲載された。
AndroidブラウザとChromeが1つにまとまるのは不可避とみられる。タブレットでのブラウジングはPCでの体験により近く、そしてもちろんGoogleは「Honeycomb」と呼ばれるAndroid 3.xをリリースしてタブレットに力を入れている。同じくAndroidをベースにしている「Google TV」はChromeブランドのブラウザを搭載しているが、両者はなぜ違う道を歩んできたのだろうか。
Chrome担当シニアバイスプレジデントであるSundar Pichai氏は5月に開催されたGoogle I/O 2011で、その理由として、Androidブラウザは一部で共通のコードを使用しているものの、Chromeのオープンソース版である「『Chromium』をベースとしていない」からだと述べた。つまり、Chromeというブランド名には、Androidブラウザが必ずしも満たしていなかったウェブページの互換性に関する一定の保証がある、ということらしい。
だが、WebKitプロジェクトとの統合でこの障壁は克服されるだろう。「WebKitのChromiumポートというこの新たな魅力を生かし続けることに全力を尽くしている」とPopescu氏は先のメッセージで語っている。
そして、Beverloo氏はプロジェクトの方向性確認のために行ったWebKitへの投稿で、次のように語っている。「WebKitのChromiumポートを完全に再利用するため、AndroidブラウザはChromeと多くのコードを共有する時期に来ている」(Beverloo氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス