ドイツのニュースサイトWebwereldによると、欧州におけるサムスンの「GALAXY Tab 10.1」の販売禁止が解除されたという。
IDG傘下のWebwereldは、デュッセルドルフ地方裁判所の広報を担当するPeter Schutz氏の発言を引用し、サムスンはドイツを除く欧州においてGalaxy Tabの販売を再開できると報じた。同地裁の判断によると、ドイツの裁判所は自国外において同タブレットの販売を禁止する権限を持たないという。
この新しい裁定に対して、サムスンは以下のような声明を米CNET Newsに送った。
「サムスンは、欧州全域でのGALAXY Tab 10.1に対する仮差し止め命令を保留とする、デュッセルドルフ地方裁判所の決定を歓迎する。サムスンは、自社の革新的なモバイル機器を途切れることなく市場に提供し、消費者が革新的な製品のより幅広い選択肢から選べるようにすることに、全力で取り組んでいる。8月25日に予定されている審問において、当社の知的財産権についてあらためて主張する機会を楽しみにしている」
Appleとサムスンは、欧州におけるGALAXY Tabの今後の販売をめぐって、現地時間8月25日に出廷する予定だが、仮差し止めの解除は少なくとも同日まで有効となる。
この数カ月間、Appleとサムスンの特許侵害訴訟は泥沼化している。AppleはサムスンがGALAXY Tabを開発するにあたり「iPad」を技術およびデザイン面において違法に模倣したと訴えていた。Appleは先週、EUのほぼ全ての国でGALAXY Tabの販売を禁止する仮差し止め命令をドイツの裁判所から勝ち取っていた。
Appleは8月15日、Webwereldの別の記事で批判にさらされた。この記事では、AppleがGALAXY Tabの写真を加工して、その写真を添えた文書をドイツの裁判所に提出したと結論づけている。GALAXY TabとiPad 2を比較した写真を分析すると、2つのタブレットは長さの点で「ほとんど同一」に見えることが判明したという。
だが実際は、GALAXY Tabは「iPad 2よりも(長辺が)より長い」形状であると、Webwereldは述べている。具体的には、GALAXY Tabのアスペクト比は1.46だが、Appleが作成したGALAXY Tabの画像は1.36で、これはiPadの1.30に近くなっている。
Webwereldの記事は、Appleが提出した不正確な写真が今回の決定になんらかの影響を及ぼしたかどうかについては言及していない。それよりも司法権の問題が大きかったようだ。
ブログ「FOSS PATENTS」を発行しているFlorian Muller氏は、8月16日の投稿で、今回の一時的な販売禁止解除はサムスンにとって優位に動き、8月25日の審問で仮差し止めの一部破棄に変わる可能性があると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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