サムスン電子は、Appleとの特許侵害訴訟が解決するまで、オーストラリアでの「GALAXY Tab 10.1」タブレットの販売を行わないことに合意した。
Bloombergの報道によると、Appleとサムスン電子は、オーストラリアの連邦裁判所で現地時間8月1日に開かれた審理において、今回の合意に達したという。サムスンは、GALAXY Tabの広告宣伝をとりやめ、裁判所の承認を得るか訴訟が解決するまで、GALAXY Tabを販売しないことで合意した。一方、Appleは、この特許権侵害訴訟で同社が敗訴した場合には、サムスンに損害賠償金を支払うことで合意した。
消費者向け電子機器大手である両社の間で急速に激化する訴訟合戦は、今回の合意によって新たな展開を迎えた。Appleは、同社製品に使用されているテクノロジのルックアンドフィールをサムスンの製品がコピーしていると主張しているが、サムスンはこの主張に反論している。両社の訴訟は急速に拡大し、現在では複数の国の裁判所で争われている。
Appleは目下、スマートフォンおよび新興のタブレット市場での優位を維持するべく、多くの特許訴訟を展開している。中でも、「GALAXY」シリーズの成功により、スマートフォン市場でのシェアを急速に伸ばしているサムスンとの訴訟は、カギを握るものと見られている。Strategy Analyticsが先ごろ発表したところによると、Appleとサムスンは2011年第2四半期、スマートフォン市場のシェアでNokiaを追い抜き、1位と2位に躍り出た。
今回販売が差し止めとなったのは、米国版のGALAXY Tab 10.1だ。裁判所に提出された合意書の内容としてBloombergが報じたところによると、サムスンは米国版とは異なるオーストラリア版の販売を予定しており、販売開始予定の1週間前に3台のサンプルをAppleに提出することで合意しているという。Appleは販売前にサンプルを調べることが可能だ。
両社の争いは、まずAppleのほうが、同社「iPhone」および「iPad」のデザイン、機能、およびテクノロジを、サムスンのGALAXYシリーズのスマートフォンおよびタブレット製品が模倣しているとして訴えたことに端を発する。サムスンはこれを受け、本社のある韓国のほか、日本、ドイツ、および米国でAppleを逆提訴している。
Bloombergによると、Appleは、オーストラリア以外の国でもGALAXY Tab 10.1の販売差し止めをねらっているという。
次はどの国を対象とするのかについてAppleにコメントを求めたが、回答は得られなかった。また、サムスンからも、今回の一時販売差し止めについてのコメントは得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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