Wi-Fi対応デバイスの位置情報公開を制限したグーグル--処置に対する専門家の見解は - (page 3)

Declan McCullagh (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年06月30日 07時45分

 Googleは同社の位置情報データベースに変更を加え続けているようだ。以前オーストラリアのブリスベンにあると表示されていたiPhoneについて、趣味でハッカーをしているSamy Kamkar氏が作成したGoogleの位置情報データベースのウェブインターフェースで先日追跡を試してみたところ、緯度0度、経度0度(アンゴラの西にある太平洋上の地点)という結果が返ってきた。2011年6月26日夜、同じオーストラリアのiPhoneのMACアドレスを入力してみると、そのウェブサイトは座標ではなくエラーメッセージを表示した。

 ワシントンDCにある電子プライバシー情報センター(EPIC)の代表であるMarc Rotenberg氏は、Googleの動きをAppleが4月に行った決断と比較している。当時、過去の位置情報を記録できてしまうiPhoneの「バグ」が発覚し、この問題に対する一般の人々の関心が高まり始めたことを受けて、Appleはその修正を決断した。

 「位置情報に基づくデータを収集している企業でさえも、その方法について完全には理解していない。このこともまた、この分野ではプライバシー保護の方針よりも慣習の改善が重要であることを示している」(Rotenberg氏)

 Googleの位置情報データベースは以前、いくつかの事例において、デバイスの移動の追跡に使うことが可能だった。サンフランシスコのサウスオブマーケットにあるWi-Fiホットスポットに接続していたHTCデバイスは、1日のうちにボルチモアワシントン国際空港からアトランタ郊外の住所に移動した。セキュリティ研究家のAshkan Soltani氏がサンフランシスコの喫茶店で検出した別のデバイスは、ドイツのボーフムにあるルール大学の工学部校舎から幹線道路を越えて大学センターに移動した。

 GoogleのプロダクトマネージャーであるRaphael Leiteritz氏は2010年4月に発表した声明(PDFファイル)で、位置情報データベースへは「現在デバイスが参照可能なMACアドレスのリスト」を送信することでアクセスできる、と述べた。そのリストを受信すると、Googleはそれらのアドレスを「同社の既知MACアドレスリスト」と比較し、「適切な位置情報」を返す。Googleの公共ポリシー担当ディレクターであるAlan Davidson氏は2011年5月、米上院への証言(PDFファイル)の中で、「既知のネットワーク位置情報のデータベースは、Wi-Fiアクセスポイントや携帯電話基地局からユーザーの大体の位置を割り出すのに必要だ」と話した。

 確かに、狙ったMACアドレスを知ることは必ずしも簡単でない。一般的に、MACアドレスはインターネット上で送信されない。しかしWi-Fiの圏内にいるユーザーなら誰でもMACアドレスを記録し、どのMACアドレスがどのメーカーに対応するのかを簡単に絞り込むことができる。例えば、配偶者が疑い深い人で、iPhoneの「情報」画面を開くことができる場合などは、MACアドレスを知ることも可能だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]