しかし、カリフォルニア大学バークレー校でテクノロジと政策に関する研究室を共同で指導するNick Doty氏によると、Googleのサービスは、PerlやPythonのスクリプトではなく、ブラウザ内で使われたときに結果を返しているように思えるという。Doty氏は、「Googleは、独自のテストのために同社サービスを使う人々を厳しく取り締まろうとしているだけなのかもしれない」と述べた。Doty氏の所有するノートPCは過去に、Googleのデータベースによって、同氏が以前住んでいたシアトルのキャピタルヒルの住所と関連づけられていた。
Wi-Fiを使うノートPCや携帯電話の約10%が、住所に対応した形でGoogleのリストに乗っていたようだ。Googleは以前発表した声明の中で、「われわれは、Wi-Fiアクセスポイントの公開されたMACアドレスを収集している。ユーザーがモバイル機器で無線テザリングを有効にしている場合、その機器はWi-Fiアクセスポイントとなるため、そのアクセスポイントのMACアドレスもデータベースに含まれる可能性がある。頻繁に移動するWi-Fiアクセスポイントはわれわれの位置情報データベースにとって無用であり、その情報を破棄しようとさまざまな手順をとっている」と述べた。
しかし、Googleの広報担当は、同社の位置情報データベースに表示されるのはアクセスポイントだけだと発言することは控えた。民主主義と技術のためのセンター(Center for Democracy and Technology:CDT)のチーフコンピュータサイエンティストで、インターネット技術タスクフォース(IETF)のジオロケーション担当共同議長を務めるAlissa Cooper氏は、自分のノートPCは一度もWi-Fiアクセスポイントとして使われたことはないと言う。しかし、Cooper氏が2007年~2009年に住んでいたワシントンDCのコネチカットアベニューの住所は、Googleの位置情報データベースに掲載された。
2011年5月までMicrosoftのアイデンティティ担当チーフアーキテクトを務めていたKim Cameron氏も、同じ結論に達している。Cameron氏はStreet Viewのデータ収集に関する第三者による報告(PDFファイル)を分析した2010年6月のエッセイの中で、Googleは修正されたWi-Fiアクセスポイント以外にも大量のデバイスの位置情報およびMACアドレスを記録していると書いた。
「もはや疑いの余地はない。無線アクセスポイントに加えて、自宅や店舗、企業、政府の建物内のあらゆるWi-Fi対応ノートPCや携帯電話のMACアドレスが、通りすがりのStreet View車両によって記録された。しかも、暗号化されているかどうかに関係なく行われている」(Cameron氏)
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