「Chromebook」の成功要因--足がかりは「Google Apps」と企業顧客 - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年05月27日 07時30分

企業向けか、消費者向けか

 当然ながら、Chrome OSに関する注目の多くは、消費者にどの程度アピールできるかということに向けられている。すぐに使えるお金が500ドルあったとしたら、皆さんはChromebookと「iPad」のどちらを買いたいだろうか。

提供:Google

 Googleはこうした考え方を否定してはいない。筆者がChrome担当シニアバイスプレジデントのSundar Pichai氏に、Chrome OSは主に企業を対象としているのかと尋ねたところ、同氏は次のように述べた。

 「多くの消費者にとって素晴らしいデバイスだと確信している。これは時間の経過とともに発展していくものだ。消費者向けとしても企業向けとしても同等の成功を収めるという絶対的な自信がある。両方に適しているからだ」。Pichai氏は米CNET Newsのインタビューでこのように述べた。

 消費者にとって、Chrome OS搭載ノートPCをキッチンやリビングに置いて、電子メールの返信やレシピの確認、ニュースの閲覧に使うのは便利かもしれない。しかし、現状ではChromebookは万人向けでない。Skype動画チャットやビデオゲームの「Crysis」、大人気を誇る数多くのiPadアプリケーションを利用することができないからだ。

 ただし企業の場合、状況はかなり異なる。企業では、権限を持つ中央部署が、コンピューティング機器の購入や実行するソフトウェアの決定、メンテナンスを担当していることが多い。こうした環境では、一般消費者を落胆させるようなChrome OSの短所が逆に長所となる可能性もある。

 Cloud LogicのコンサルタントScott McKenzie氏は、「企業のIT部門はデータの完全性とセキュリティを確保するため、既にシステムをロックダウンして、ユーザーが自由にアプリケーションをインストールできないようにしている」と述べる。同氏は7月か8月にChromebookサービスの販売を開始したいという。「Chromebookは、大企業が長年にわたって行使してきたユーザーのシステムおよびデータ完全性に対するコントロールを、小中規模企業でも利用できる機会だと思う。それでいて、メンテナンスコストもはるかに安く、そうした機能を実現するために高価なシステムを導入する必要もない」(Scott McKenzie氏)

 つまり、消費者にとってはChrome OSの魅力が薄れるような制限が、実は企業顧客にとっては価値あるものとなる場合もある。

 Chrome OSはノートPCにインストールされた状態でのみ提供され、誰もがインストールできるスタンドアロンのOSとしては販売されない。消費者は従来の方法でChrome OSを購入することができる。例えば、3Gハードウェアを搭載するサムスン製Chromebook「Series 5」は、データプラン抜きで499ドルだ。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]