Appleは、物議を醸している特許を保有する企業のLodsysと、Lodsysが特許侵害の対象としている開発者らに対し、Appleはアプリケーション内課金のライセンスを取得しており、そのライセンスは、「iOS」プラットフォーム上の開発者らにも適用されるとする通知を送付した。
ゲーム「Shanghai Lite」の開発元であるMobileAgeは米国時間5月23日午前、Appleのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルカウンセルを務めるBruce Sewell氏から書簡を受け取った。同社はLodsysのポートフォリオから4件の特許についてライセンスを取得済みであり、このライセンスによって、Appleの顧客およびビジネスパートナーにも同様に同機能の使用が許可されると記されていた。
「Appleは、これら(の特許)のライセンスを確実に取得しており、Appleのアプリケーション開発者はこのライセンスによって保護されている」とSewell氏は記している。「Appleのアプリケーション開発者に対するLodsysの特許侵害の訴えに根拠はない」(Sewell氏)
Lodsysの最高経営責任者(CEO)であるMark Small氏にコメントを求めたが、直ちに回答を得ることはできなかった。同社は、この問題に関するFAQで、報道機関に向けた発表はしないと述べている。
Lodsysは2011年5月に入って、アプリケーション内課金(IAP)機能を利用するアプリケーションに対するライセンス料を、Appleではなく開発者らに対して請求し始め、応じない場合は法的手段に訴えるとして、今回の議論を引き起こした。
Sewell氏は、「AppleはLodsysの特許に基づくライセンスを取得して、その技術を同社のアプリケーション開発者に提供しているため、アプリケーション開発者は、Lodsysのいかなる侵害主張にかかわりなく、無償でこの技術を使用する権利がある」と記している。
Appleは、Lodsysの特許侵害に関する主張は、それがAppleのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)、Appleの「Apple ID」システム、ハードウェア、ソフトウェア、サーバに依存しているという点において、さらに欠陥があるという見解を示している。
Appleは書簡で、Lodsysがこの問題について開発者らに送付した警告状を撤回し、「ライセンス取得済みのApple製品およびサービスを使用するアプリケーション開発者が、Lodsysのいずれかの特許を何らかの方法で侵害しているという誤った主張を停止」することを求めている。
MobileAgeのプレジデントを務めるKen Landau氏は電話インタビューで、「オフィス内は、大きな安堵に包まれている」と述べた。「Appleがこれらの特許に対する権利を取得しており、これを使用する権利がパートナーおよび開発者にあるというAppleからの書簡を受け取った。Shanghaiは非常に人気の高いゲームであり、われわれの事業存続に必須であるため、本当によかった」(Landau氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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