電子フロンティア財団(EFF)は、一部の「iOS」開発者を恐怖に陥れている現在進行中の法的問題について、Appleが迅速に対処していない、あるいは全く対処していないと批判した。
EFFの専属弁護士であるJulie Samuels氏は米国時間5月20日、同団体の公式ブログへの投稿で、Appleが開発者に対してアプリケーションでアプリケーション内購入(IAP)を使用するよう求めているために、開発者は困難な立場に置かれている、と述べた。IAPは、特許を侵害しているとして第三者組織から標的にされている。
その第三者組織であるLodsysは2週間前、Appleではなく開発者に警告状を送付し、論争を巻き起こした。LodsysはIAPを利用するアプリケーションについてライセンス料の支払いを求めており、それに従わない者には法的措置で対応すると警告している。
「Appleがこれらの開発者を守ろうとしないのは憂慮すべきことであり、少なくとも2つの重大な問題を浮き彫りにしている。それはパテントトロールと、悩ましい非生産的な特許侵害訴訟が提起されたときの開発者の無力さだ」とSamuels氏は書いている。
Lodsysは先週発表した本件に関するFAQで、AppleはMicrosoftやGoogleと同様、IAPを対象とする特許の使用ライセンスをすでに取得済みなので、今回の対象にはなっていないと述べている。しかし、IAPメカニズムの枠内でアプリケーションを顧客に販売する開発者はそのライセンスに含まれていないため、Lodsysに同テクノロジの使用権料を支払わなければならない。
「これは、弁護士が負担の不当配分と呼ぶ問題だ。一般的に法律は、問題に対処するのに最適な立場にいる当事者がその問題を処理する責任を負うことを確実にする働きがある。今回の案件でAppleの保護がなければ、法的な争いを避けたい開発者は、Appleが提供する各テクノロジが特許を侵害していないことの検証調査を行わなければならない」(Samuels氏)
Samuels氏は、規模の大小に関係なく開発者にそのような水準の調査を行う余裕はない、と主張する。Appleが開発者に使用を義務づけている機能やテクノロジが同社の知的財産として保護されていることの検証作業に関して言えば、特にそうだ。
Appleは現時点でLodsysの主張に対して正式には対応しておらず、コメントの要請にも応じていない。The Guardianの先週の報道によると、Appleはこの問題を「積極的に調査」しているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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