Googleが米国時間4月27日に「Chrome 11」の安定版をリリースしてからまだ2週間とたっていないが、同社はベータユーザーに対し、「Chrome 12」のベータ版を同5月8日に提供開始した。
Chrome 12ベータ版では、ハードウェアアクセラレーションの改善や強固なプライバシー管理、若干安全になったファイルのダウンロードといった内部的な改善点をベータユーザーに公開している。また、Googleが3月に発表していたとおり、「Gears」は同バージョンよりサポートされないこととなった。
Chrome 12ではセキュリティ面が2点改善された。1点目としては、ローカルにて共有されたFlashベースのオブジェクト、つまりユーザーのコンピュータ内に保存されたウェブサイトの断片的な情報のことだが、これらの情報がChromeの設定にて消去できるようになった。これまでは、Adobe Systemsの提供する特別なオンラインツールを使って情報を削除するしか方法がなかった。
2点目としてChromeにて拡張されたセキュリティ機能は、サイトから悪意のあるコンテンツがダウンロードされないかどうかをチェックするセキュリティアルゴリズムだ。Chrome 12では、悪意のあるコンテンツがダウンロードされコンピュータ内に保存されるといったことを防ぐ機能をネイティブでサポートする。ただし、これはセキュリティソフトの完全な代替品になるわけではないということは覚えておくべきだろう。
Chrome 12にて改善されたハードウェアアクセラレーションは、3D CSSをサポートするという形で展開される。つまり、CSSに書かれた3Dアニメーションを動かす際、ブラウザがコンピュータのグラフィックカードの処理能力を活用することになる。この機能を利用するには、最新バージョンのグラフィックカードドライバが必要だ。
ほかにも、Chrome 12ではスクリーンリーダーを仮サポートしている。これは、マウスを動かすとスクリーンに書かれていることを読み上げるという目の不自由なユーザーのための機能で、サポート対象となるリーダーは「JAWS」「NVDA」「VoiceOver」などだ。
Chrome 12の開発がスケジュール通り進めば、約1カ月後にはこれらの改善点が安定版としてリリースされる予定だ。Chromeの詳細については、「Google Chrome Releases」ブログにて確認できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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