米調査会社のIHS iSuppliは米国時間4月21日、Appleのタブレット「iPad 2」について、製造工程で問題が発生しているため第1四半期は不足状態にあるとして、予測年間出荷台数を下方修正した。
Apple Storeで品切れ状態となっていたり、オンラインストアでの入荷待ち時間が長かったりすることから、iPad購入者の間では、なぜ供給が需要に追いついていないのか話題になっていた。
日本で発生した東日本大震災と津波でサプライチェーンに問題が起こったのではないかという不安の声もあったが、IHS iSuppliはiPad不足の原因が震災にあるとは見ていない。震災後Appleは、iPad 2を3月中に出荷できるよう、すぐに必要な部品を確保すべく動いていたためだ。IHS iSuppliでは、原因は特定の部品の製造問題にあると指摘する。
「情報筋がIHS iSuppliに伝えたところでは、製造工程に問題が発生して生産が遅れており、需要も高いことからiPadが不足しているとのことだ。情報筋によると、問題が発生しているのは、液晶ディスプレイパネルの品質、新型スピーカーの生産不足、タッチ機能に関する部品を供給する企業でのラミネート加工、最終部品の生産不足などだという」とIHS iSuppliはレポートにて述べている。
Appleはその後iPad 2の生産台数を増やしてはいるが、4月の目標台数には達しない見込みだ。さらに、東日本大震災の影響による供給不足で、Appleは初期のiPad 2不足を2011年後半にも補いきれないとIHS iSuppliでは見ている。
こうしたことから、IHS iSuppliでは2011年における初代iPadおよびiPad 2の予測出荷台数の合計を3970万台と見込んでいる。これは同社が2月に発表した4370万台という予測から9%低い数字となる。
IHS iSuppliでは、2010年のiPadの出荷台数は1510万台だったと見ており、今回発表した2011年の予測出荷台数は2010年比で163.3%の伸びとなる。2月に同社が発表した予測では、189.6%成長となる見込みだった。ただし、IHS iSuppliでは今回の供給不足が2012年にも影響することはないと見ており、2012年のiPadの予測出荷台数を前回の6160万台から6220万台へと上方修正している。
IHS iSuppliでは、Appleがタブレット市場において、コンテンツや価格、マーケティング、勢いなどの面で短期的にトップの地位を維持し優勢であり続けるだろうとしている。Appleは2012年後半もしくは2013年初期にはタブレット市場でシェアを落とすと見られているが、2012年に販売されるタブレットの50%以上はまだApple製タブレットであることが見込まれ、その後も市場を大きくけん引するだろうとされている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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