特許をめぐるAppleとの争いにおいて、Nokiaを止めることはできないようだ。
フィンランドに本拠を置くNokiaは現地時間3月29日、Appleが「同社の携帯電話、携帯音楽プレーヤー、タブレット、コンピュータの事実上全てにおいて」Nokiaの特許を侵害しているとして、米国際貿易委員会(ITC)に新たな申し立てを行った。
Nokiaの申し立てによると、Appleは「マルチタスキングオペレーティングシステム、データ同期、ポジショニング、通話品質、およびBluetoothアクセサリ」の機能を通じて、7件の特許を侵害しているという。
Appleにコメントを求めたが、まだ回答は得られていない。
両社間の法的紛争は2009年から続いている。Nokiaは同年10月、Appleが10件の特許を侵害しているとしてデラウェア州米連邦地方裁判所に特許権侵害訴訟を起こした。これに対し、Appleは同年12月、Nokiaが13件の特許を侵害しているとして提訴した。さらに同年12月下旬、NokiaはITCに最初の申し立てを行い、Appleが7件の特許を侵害していると主張した。
それから1カ月もたたない2010年1月中旬に、AppleはITCに独自の申し立てを行って対抗し、Nokia製携帯電話の米国への輸入禁止を求めた。Appleはその際、Nokiaが特許、商標、および著作権を侵害していると主張した。
Nokiaは2010年に訴訟をさらに推し進め、Appleの「iPad 3G」および「iPhone」で使用されている「高度な音声およびデータ伝送」などの機能に関して、ウィスコンシン州西部地区地方裁判所に特許侵害訴訟を起こした。その後、同年12月には英国、ドイツ、オランダでも訴訟を起こし、Appleが13件の特許を侵害していると主張してきた。
しかし、ITCがAppleとNokiaの長い争いに対処し始めたのは、わずか数日前のことだった。
米国際貿易委員会の判事は米国時間3月25日、Nokiaが2009年の最初の訴えに含めていた特許をAppleが侵害していないとする裁定を下した。ITCは2011年夏に公聴会を開き、この判事の裁定に従って本件の審理を打ち切るか、裁定を却下するかを決めることになる。
一方、NokiaはITCの裁定に反論している。同社は29日に発表した新たな申し立てに関するリリースで、「ITCの仮決定には同意できない」と述べた。同社は、仮決定の全文を精査した後、対応を決定する計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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