Appleが米国時間1月15日、フィンランドを拠点とするNokia製の携帯電話について米国への輸入の禁止を要求した。これにより、AppleとNokiaの間で繰り広げられている戦いに一層拍車がかかった。
Appleは、特許、商標、著作権侵害などに関する不正な貿易取引などの問題を調査する独立連邦機関である米国際貿易委員会(USITC)に対し、申し立てを提出した。
2009年12月にはNokiaが、ワシントン州においてUSITCに訴状を提出している。同社はその訴状の中で、「Apple製の携帯電話とポータブル音楽プレーヤー、コンピュータの事実上全て」において、AppleはNokiaの7件の特許を侵害していると訴え、Appleの「iPhone」「iPod」「MacBook」の各製品の輸入禁止を求めた。
今回のAppleの動きに対し、Nokiaの広報を担当するMark Durrant氏はBloombergに対し、「Nokiaは、訴状を受領した時点でその内容を調査し、引き続き積極的に自社を防衛するつもりである。しかしこれによって、Appleが2007年の最初のiPhone発売以来、Nokiaの技術の使用に関する条件に合意しておらず、無償でNokiaの発明技術を使用し続けようとしているという事実が覆されたわけではない」と述べた。
Appleに対し、今回の提訴に関するコメントを求めたが、まだ回答は得られていない。
Nokiaは、両社間の特許問題がUSITCに提訴される前の10月、ワイヤレス端末に関する10件の特許に関し、Appleがライセンス契約を拒否したとする訴えを、米国デラウェア州地方裁判所に起こしている。Nokiaは、2007年に発売された最初のモデル以降、iPhoneのすべてのモデルがこれらの特許を侵害していると主張している。
Appleが侵害していると同社が訴えている10件の特許は、GSM、3G、Wi-Fiネットワークで動作可能な電話の製造方法に関するものである。Nokiaによると、ワイヤレスデータ、音声コーディング、セキュリティ、暗号化に関する特許が含まれるという。
Appleはその後、iPhoneに搭載されている技術をNokiaが模倣したとして同社を逆提訴した。Appleは、リアルタイム信号処理の方法から、タッチスクリーンディスプレイにおけるリストのスクロールおよびドキュメントの変換、サイズ変更、回転にいたるまでのさまざまな特許をNokiaが侵害していると述べた。
11月には調査企業Strategy Analyticsが、携帯電話の四半期利益においてAppleがNokiaを抜いたと発表した。AppleがiPhoneで16億ドルの利益を得たのに対し、Nokiaの携帯電話による利益は11億ドルであった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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