「Flash Player 10.3」ベータが示すもの--アドビのFlash推進姿勢と市場の変化 - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年03月11日 07時30分

 Flash Player 10.3はFlash Player 10の3回目の重要なポイントリリースだ。同リリースの登場が示しているのは、オンラインソフトウェア開発においてより小規模なリリースをより頻繁に行う傾向が強まっていることである。Googleのブラウザ「Google Chrome」は6週間ごとのリリースサイクルとなっており、おそらく最も頻度が高いが、Mozilla Foundationの「Firefox」も四半期に1度のリリースサイクルに移行しつつある。基本的な考え方は、オンラインソフトウェア配信によって、ソフトウェアデベロッパーが変更点の多い大規模なアップデートを待つよりも早く新機能をユーザーに届けられるというものだ。

 「Flash Player 10.1」は開発に長い期間を要した。最も顕著な特徴は、パーソナルコンピュータだけでなくハイエンドの「Android」搭載携帯電話で動作することだった。モバイルへの移行が進む中、Adobeはこれまで追加したいと考えていた比較的小規模だが重要な機能の積み残しを片付ける作業に取り組んでいるようだ。「Flash Player 10.2」では、ハードウェアアクセラレーションを使用した「Stage Video」という機能によって、動画処理の効率が向上した。

 オンライン動画は、Flashが長年にわたって大部分を占めていた市場だが、HTML5の動画対応機能が登場したことで、Flashにとって特に競争の激しい分野となっている。Adobeはこの分野について、ビジネスユーザーに役立つハイレベルな機能を提供するというアピールを続けており、今回はAdobeが買収したOmnitureのオンライン解析機能を組み込んだ。

 解析技術についてImbert氏は「Flashのメディア測定機能により、企業は自社の動画コンテンツの配信状況、視聴者の範囲、再生回数についてリアルタイムの集計レポートを入手することができる」と述べている。

「Flash 11」は3Dと64ビットに対応

 一方でAdobeは先日、先進的なFlashプログラマー向けに「Molehill」という3Dグラフィックス機能を搭載したFlash 11のプレビューバージョンを発表した。Molehillのインターフェースは、オンライゲームの分野である程度の地位を築いてはいるがWebGLという新しいウェブ標準との競争にさらされているFlashにとって重要なものだ。

 デベロッパーたちはMolehillの機能を試し始めている。Adobe FlashプラットフォームエバンジェリストであるLee Brimelow氏は7日、Molehillのデモリストを公開した。

 またFlash Player 11では64ビットにも対応する。すでに64ビット対応版がリリースされている一部のブラウザ(特にAppleの「Safari」)の後を追う形だ。

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