現地時間2月14日から開催の世界最大のモバイル関連の展示会2011 Mobile World Congress(MWC)における発表の華やかさでは、NokiaやSony Ericssonにはおよばないかもしれないが、Adobe Systemsは、「Adobe Flash」について、今後「Android」搭載スマートフォンやタブレットに広く影響を与えることになる計画をいくつか用意している。
Adobeは、MWCに先立って行われた記者向けのイベントで多くの統計データを公開したが、膨大な量の実績に関する数字(たとえばAndroid向けFlashのダウンロード件数が最初の6カ月で2000万件以上に達した、など)に言及したことで、急速に成長するAndroidの勢いを後押しするAdobeの取り組みを詳細に示す、価値ある情報を提示したといえる。
Adobeは、「Android 3.0」(開発コード名「Honeycomb」)と「BlackBerry Tablet OS」向けに「Adobe Flash Player 10.2」のモバイル対応版をリリースする予定だという。この更新版は、動画のデコードや描画を端末のソフトウェアでなくハードウェアに行わせることによって、端末のCPU消費やバッテリ消耗を大幅に抑えるとうたわれている。
最新のFlash Playerをリリースすることに加えてAdobeは、時期的な見通しについては触れなかったものの、Googleの動画コーデック「WebM」へのサポートをFlashに組み込むよう「取り組んでいる」と、記者たちに対して述べた。Adobeは現在、WebMのサポートに向けてGoogleと協力しているところで、WebMと「H.264」のどちらでも開発者が選択できるようにすると明言した。WebMとH.264は、いずれも高解像度の動画コーデックだ。
またAdobeは開発者に対し、デスクトップベースの「Adobe Creative Suite」で作成したアプリケーションを使用して、雑誌などのコンテンツをモバイル機器向けの形で提供するよう引き続き呼びかけていく計画だ。現時点で、こうしたアプリケーションは「iPhone」と「iPad」向けに100種類以上提供されており、今後はAndroid向けにデジタル版を制作する開発者へのサポートを進めるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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