Adobe Labsは米国時間3月7日、FlashをHTML5に変換する新しい無償ツール「Wallaby」を発表した。
AdobeのMAX 2010カンファレンスで最初に披露された同ツールは現在のところ、変換はできるが荒削りな部分があるとAdobe Flash Professionalシニア製品マネージャーを務めるTom Barclay氏は述べた。「HTML5は、バナー広告やウェブパブリッシングにおいて重要な技術」と同氏は述べるとともに、Flashは、特に複雑な双方向性が必要なゲームにおいて開発者らによって多用されているということを強調した。
現状のWallabyでは、FLA形式のファイルを選択して変換すると、そのFlashファイルがHTML5、JavaScript、CSSに変換される。ほとんどの描画要素、塗りつぶし、シェイプトゥイーン、モーショントゥイーン、シンボル名、インスタンス名などを含む、ほとんどのFlashファイルが変換されるとBarclay氏は述べた。Adobeの「Air」プラットフォーム上に構築されているため、WindowsとMacのどちらを使用する開発者もこのツールを使用することができる。
組み込まれたロギングツールにより、どの要素が変換されなかったかが通知される。現在のところ、変換されないのはオーディオタグやビデオタグなどである。Adobe Systemsは、今後HTML5のより複雑な部分に対するサポートを追加するかどうか決定する前に、開発者らからのフィードバックを待っているとBarclay氏は述べた。「開発者は、変換後にJQueryやJavaScriptを使用して双方向性を加えることができる」と同氏は説明した。また、同氏は、Wallabyの最初の目標について、Appleが「iOS」でFlashをサポートする予定がないことから、「iPhone」「iPad」「iPod touch」におけるバナー広告の開発をサポートすることであると付け加えた。ただし、Wallabyが出力するHTML5は、任意のWebKitベースのモバイルブラウザに対応する予定だと同氏は述べた(AndroidのデフォルトブラウザもWebKitを基盤としている)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」