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松村太郎が見た新MacBook Pro--1年の技術革新と変わらないもの - (page 2)

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Thunderboltが描く未来

 さて、コネクタの形状はMini Display Portと同じThunderboltポートだが、その役割はまったく違う。この規格は当初インテルが「Light Peak」として開発していた光ファイバを使った高速インターフェースで、MacBook Proでは光ファイバではなく銅線で実装されている規格だ。2チャンネルまでのディスプレイ、8チャンネルオーディオに加えて、10Gbpsのデータ転送スピードを実現し、6台まで数珠つなぎができるようになる。

 インテルによると「1年蓄積したMP3ファイルは10分、フルHD映画の転送は30秒で済む」と表現しており、遅延も最大8ナノ秒としている。これまでMacに搭載されてきた周辺機器向けインターフェースはFireWire 800の800Mbpsが最高速度であったことから、理論値で12.5倍の転送スピードを手に入れることになる。転送スピードだけでなく、Macのノートブックユーザーにとってもっと大きなメリットがある。

  • 「デスクトップ化する儀式」

 筆者はメインマシンであるMacBook Proを自宅の仕事場でも外出先でも使っている。仕事場ではノートパソコンのスタイルで使うのは当たり前だが、自宅では2004年にPowerMac G5とともに手に入れたApple Cinema Display 23インチと、ワイヤレスキーボード、Magic TrackPadを接続して利用している。見かけ上、デスクトップパソコンと同じ使い勝手で快適だ。しかし、「デスクトップ化する儀式」が存在する。

  • 現在の使用環境

 まず「BookArc」(Twelve South製)というスタンドにMacBook Proを設置し、MagSafeの電源、Mini DisplayPort、FireWire 800、USB、オーディオ出力の5つのケーブルを差し込む。こうして、ディスプレイ、スキャナ、プリンタ、外付けHDD、スピーカーに接続して初めて、デスクトップとして利用できるようになる。Thunderboltは、この作業をかなり簡略化してくれる可能性を持っている。特にインターフェースが少ないMacBook Airの場合は、現状のデザインを変更せずに数々の周辺機器を1発で接続する可能性を秘めているのだ。

 なお、インテルはもともと、Light Peakという光ファイバの技術としてThunderboltを開発している。アップルが提出した特許文書には、MagSafe電源に光ファイバのラインを仕込んで、電源とLight Peakを一体化したプラグが提案されており、これが実現すれば1プラグでノートとデスクトップを行き来することができるようになるかも知れない。

1年で見た技術革新と変わらないもの

 MacBook Proは毎年、約10~11カ月サイクルで製品をリニューアルしてきた。2009年にはユニボディの進化とSDカードスロットの搭載、筆者が購入した2010年は、Core i7の採用やバッテリ持続時間の向上、そして2011年にはご紹介してきたようなテクノロジが採用されている。本稿では触れなかったCore i5を搭載し、11万円弱の値付けがされている最も安い13インチモデルですら、筆者が持っているモデルよりも速くなっており、まだまだコンピュータのスピードへの可能性を痛感させられた事実であった。

 アップルは、2009年から一貫してアルミニウムのユニボディを採用しており、Thunderboltでもポートの形状が変わらなかったため、同じ筐体を3年以上作り続けることになる。アルミ削りだしのデザインは当初高いと思われていたが、同じデザインで出し続けることによって、型の劣化などを考えず、結果的にコスト安になっていくことが考えられる。このあたりの先見性と、アップルが作り出すMacBook Proというキャラクタへの普遍性が感じられる。

 しかしモデルを総じていくつかの不満もある。もちろんMacBook Airとは役割が違うとは思うが、SSDモデルへの舵取りをしなかった点だ。MacBook AirのOSの起動時間を考えると、依然としてHDDがコンピュータのパフォーマンスの足を引っ張っていることに気付かされるが、MacBook ProではSSDがオプションのまま。512Gバイトの容量を手に入れるには10万円以上余計に払う必要がある。

 また、ディスプレイの高解像度化も見送られている。 13インチモデルではMacBook Airが採用した1440×900ピクセルモデルはなく、15インチモデルでもオプションの高解像度ディスプレイに変えなければMacBook Airの13インチモデルと同じ解像度だ。もちろん、MacBook Proの使われ方として、デスクでは外付けディスプレイが使われることが想定されているだろうということは承知の上だ。

 もちろんMacBook Airが意外にも高い評価を受け過ぎていることも考えられる。しかしそれでも、13インチモデルのテコ入れは必要になってくるのではないだろうか。

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