PFUは2月7日、文書スキャナ「ScanSnap」シリーズの新製品として企業向けネットワークスキャナ「ScanSnap N1800」を2月25日から発売すると発表した。オープン価格だが、同社の直販サイト「PFUダイレクト」では17万8000円となっている。「Evernote」や「Googleドキュメント」、「Salesforce CRM」といったクラウドサービスと連携できる初めてのネットワークスキャナという。
既存の個人向けの「S1500」や「S1300」、「S1100」はPCとUSBケーブルで接続していたが、N1800はイーサネットで企業内のネットワークに直接接続することで、紙文書の電子化と出力、共有ができる。搭載されている8.4インチのタッチパネルを操作してPCを介さずにイメージデータをPDFに変換する。個人向けのSシリーズは、PC上でPDF変換処理していたが、N1800は本体でPDF変換処理している。変換されたPDFデータは、「フォルダに保存」や「メールで送信」、「プリンタで出力」などができ、これらの機能はタッチパネルから操作できる。タッチパネルにはソフトウェアキーボードも搭載されている。読み取り性能はS1500とほぼ同等という。
N1800の狙いについてPFUは「オフィスのグループ共有のスキャナにしてほしい」と説明。紙文書を電子化して業務と連携させることで、ワークフローを効率化できると、そのメリットを強調している。またN1800は、業務用システムの入力端末として活用できるともしている。たとえば注文書や検収書といった営業証憑の基幹システム入力、銀行での融資審査業務、生損保での申込審査業務などに活用できるという。
N1800では専用のソフトウェア開発キット(SDK)を無料で公開している(年間のプログラムサポートは20万7900円)。SDKを活用すれば、ユーザー企業自身で機能を拡張できる。また作業内容をあらかじめまとめて登録できる「ジョブ設定」機能と、メニュー画面設定によるカスタマイズ機能でユーザー企業が行いたい作業内容を“ワンボタン化”できるともいう。ユーザー認証機能と連動することで、エンドユーザーごとにあわせたメニュー画面を表示でき、設定も保存されることから、エンドユーザーは自分が使いやすい状態で利用できるとしている。
ファイルサーバやメールサーバが使える小規模なネットワーク環境から十分に活用できるという。また、同社の業務用ネットワークスキャナ「fi-6010N」の機能を取り込み、「LDAP」や「LDAPS(LDAP over SSL)」といった、大規模なネットワーク環境の認証機能、「Exchange Server」や「SharePoint Server」、ファクスサーバと組み合わせることもできるとしている。複数台活用する際には「Network Scanner Admin Tool」や「Scanner Central Admin Console」といったツールから集中管理できると説明する。Googleドキュメントとの連携は4月1日を予定しており、Salesforce CRMとは6月中をめどにしている。
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