グーグルの「AdWords」の課題--広告の関連性確認のスピードアップ - (page 3)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2011年02月03日 07時30分

 1週間を通してGoogleの流行トピックで目立っていた広告主はAsk.comだった。Ask.comは継続的なトラフィック獲得戦略の一環として、流行の検索語にリンクされたGoogle広告を頻繁に購入していることを認めている。クリックすると、同じ話題に関連するAsk.comのページにリダイレクトされる(米YahooとMicrosoftの「Bing」も同様の戦略を採用している)。Ask.comが宣伝しているコンテンツの種類は明白なので、それらの広告は実際に高い品質スコアを得ている。しかし、それほど関連性の高くないコンテンツを持つほかの広告主が、同様に早い者勝ちを狙う戦略を採用して、品質スコアの計算が有効になるまで、検索結果ページの2番目、3番目、あるいは4番目の広告スポットを得るのは、難しいことではない。

AdWordsは古くなってきたのか

 だが、Googleにとってもっと悩ましいのは、莫大な利益を生み出すAdWordsシステムが、今のウェブでは少し時代遅れになってきているという考えかもしれない。現在のウェブは、AdWordsが設計された10年前には同社が想像だにしなかったスピードでコンテンツを生成している。

 ニュースパブリッシャーと消費者がスピードを重視するようになるにつれて、インターネットでのコンテンツの提供方法に対する考え方は変化している。2009年夏にMichael Jacksonが亡くなったと報道された後の、情報に対する需要を考えてみるといい。Googleは関連性を特定する作業が遅れたという単純な理由から、Google Newsや「Google Realtime Search」でコンテンツの横に関連広告を表示するチャンスを逃してしまった。

 これは、現行のAdWordsを使ってGoogle上のリアルタイムコンテンツから利益を得る上で、幸先の悪いものだった。Googleのシステムにおいて、関連性のない広告は誰にとっても好ましくないものだ。ユーザーはスパムと思えるような広告を見たくはないし、広告主は商品を買ってくれそうな人をターゲットにしたいと考えている。Googleも、ほとんどクリックしてもらえない広告から利益を得ることはできない。もちろん、関連性という点で的外れな行為をすることは、組織としてきまりの悪いことだ。

 ウェブの利用がコンテンツのリアルタイム消費にシフトしていくにつれて、Googleはコンテンツと広告の両方の関連性をランク付けする強固なシステムを開発する必要に迫られるだろう。この極めて難解なコンピュータサイエンスの問題に取り組んでいる者がどこかにいるはずだ。Googleがその人物をまだ雇っていないのなら、早く探し出した方がいいかもしれない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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