Microsoftが最初の「Windows」OSを発表したときは、Ronald Reagan氏が米国大統領を務めており、John Hughes氏が映画「ブレックファスト・クラブ」の中で10代の若者のイメージを感動的に描いていた。そしてMadonnaという若い歌手が、各地で「The Virgin Tour」の公演を行っていた。それから25年が経過した今、WindowsとReagan氏、Hughes氏、Madonnaはいまだにテクノロジ、政治、ポップカルチャーに関する話題の中心にいる。
だがCNETはテクノロジサイトなので、ここではBill Gates氏がWindowsで達成したことの偉大さについて考察し、Windowがいつまで続くのかを考えてみよう。7番目のメジャーバージョンまで到達したWindowsは世界にあるPCの10台中約9台にインストールされており、Windowsのサーババージョンは世界のサーバの70%に搭載されている。もちろんGates氏は米国一の富豪であり、最近までは世界一のお金持ちだった。Microsoftは世界最大のソフトウェア企業で、それに大いに貢献しているのがWindowsシリーズだ。またMicrosoftは同社製品を、ゲーム機や携帯電話から企業向けの金融ソフトウェア、データベースまで、あらゆる分野に拡大している。
しかしWindows事業には亀裂が生じている。Microsoftが自ら招いたものもあれば、成功が大き過ぎたために生じたものもある。Microsoftウォッチャーが驚嘆しながらこの25年間を振り返る今、「すべてのものには終わりがある」というChaucerの古い言葉が、長年にわたって無敵に見えた企業によく当てはまるように思えてくる。
かつてはレーダー上に表示される小さな点のように思えたAppleなどの競合企業も、今ではコンピュータ(Windowsが搭載されていないコンピュータ)の売り上げを大きく伸ばしている。実際に、IDCが10月に発表した数字によると、Appleは第3四半期にPC業界のライバルたちの8倍の成長率を記録したという。Appleの新しいフォームファクタを採用した「iPad」のようなデバイスが、ノートPCなどの従来型デバイスを購入すべきかどうかという人々の決定に変化をもたらしている兆候も現れている。Googleの「Google Chrome OS」という脅威が迫っていることは言うまでもないだろう。Gates氏は2009年の米CNETとのインタビューで、Chrome OSはLinuxと同じようなものという見解を示したが、それでもChrome OSが(早ければ12月にも)登場したとき、Windows PCの売り上げに影響を及ぼす可能性はある。
Microsoftに「大変なことが起きている」というわけではない。しかし、MicrosoftがGates氏のリーダーシップの時代から、最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏の時代へと移行を進めている今が、大きな区切りになる可能性はある。Microsoftはモバイル市場における過ちを正さなければならない。また、アプリケーションを「クラウド」コンピューティング環境へ移行する中で、今後どのようにして顧客をつなぎ止めるのかを明確に示す必要がある。
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