解説:液晶パネル生産競争に食い込むパナソニックの世界戦略 - (page 2)

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狙うは「新興国のボリュームゾーン」

 一方で、姫路工場がフル生産体制となることで、今後は、パナソニックの液晶テレビ「VIERA」だけの供給に留まらず、外販にも積極的に乗り出す考えだ。同社では、「外販比率を3割以上に高めていきたい」(パナソニック液晶ディスプレイ社長の鈴木茂人氏)としており、世界規模で幅広く外販を促進していく姿勢をみせている。

 パナソニックの世界シェアは、薄型テレビ全体で8%(ディスプレイサーチによる2010年4〜6月実績)、サムスンの20%、LG電子の14%、ソニーの11%に次いで4位。プラズマテレビを持つ37型以上では、12%のシェアを持ち、サムスンの25%、LG電子の17%に次いで3位だが、液晶テレビの領域となる32型以下では、6%で6位に留まる。「32型以下では前年に比べて2ランクアップしているが、まだ我々より順位が上のメーカーがある」(鈴木氏)と、今後のシェア拡大と順位アップを目論む。その点でも姫路工場の役割は大きい。

 鈴木氏は「薄型テレビは、2012年度には市場全体で2億5000万台の需要が見込まれるが、そのうち約6割が新興国市場が占める。さらに、この時には、市場全体の約4割が32型になる。各国の生活研究に基づいて企画した商品により、新興国のボリュームゾーンを攻略する」と意気込む。

 2010年7月に発売したインド市場向けの32型液晶テレビは、映画好きというインド人の好みに合わせて大出力、大口径スピーカーを搭載した。また、32型の壁掛け比率が90%以上という市場性を考慮して軽量化も実現した。一方で、バックライトを1本にし、台座も簡易にするといった形でコストダウンを図っている。バックライトが1本で済むのは、パナソニック液晶ディスプレイで生産しているIPSαパネルの透過率の高さが生かされたからだ。

 「液晶テレビはハイテク製品であり、高度なプロセスを必要とするが、同時に激しい価格競争が行われている代表分野。パネルを日本で生産するパナソニックにとっては、決して恵まれた条件にあるとはいえないが、需要の拡大ぶりには大きなものがある。テレビを最重要商品として、またエネルギーをコントロールするための中核的役割を果たす商品として、2018年の創業100周年におけるグローバルナンバーワンの環境革新企業を目指す」と大坪氏は語る。

 世界で戦うための重要な商品が薄型テレビであり、それは同時にグローバルナンバーワンの環境革新企業を目指す上でも重要な製品になるという。パナソニック姫路工場の戦略拠点としての位置づけは、ますます重要になっていくはずだ。

パナソニック姫路工場の外景 パナソニック姫路工場の外景

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