パナソニックは10月29日、2011年3月期第2四半期における累積(4月1日〜9月30日)の連結業績を発表した。新興国をはじめとするすべての地域で増収となった。
売上高は前年同期比31%増の4兆3679億円、営業利益は同289億円から1690億円と5.9倍になった。税引前利益は同265億円の損失から1446億円、当期純利益は同469億円の損失から747億円へと、前年同期比でそれぞれ黒字転換した。
重点地域と位置づける新興国「BRICs+V(ブラジル、ロシア、インド、中国、ベトナム)」、「MINTS+B(メキシコ、インドネシア、ナイジェリア、トルコ、サウジアラビ ア、バルカン諸国)」で、売上高が2ケタ成長したほか、北米、欧州などすべての地域で増収となった。
パナソニック代表取締役社長の大坪文雄氏は「インドの液晶テレビや、メキシコの高出力ミニコンポなど、現地にマッチした商品開発を手がけたボリュームゾーン戦略が好調に推移した」と述べた。
事業別では、薄型テレビ、Blu-ray Discレコーダーなどを持つデジタルAVCネットワークで、前年同期比で売上高が3%増の1兆6578億円、営業利益が同486億円の増益の613億円となった。携帯電話などの売上が減少したものの、薄型テレビ、カーエレクトロニクスなどが好調に推移したという。
3Dテレビに関しては「当初の需要予測は上回ると思っている。話題性の面でもグローバルで期待通り盛り上がった。2011年度の成長が期待できる」と、想定通りであるとした。
記者会見で、韓国の家電メーカーであるサムスン電子についてコメントを求められると「2010年上半期は、2009年度以上に経営が立ち直ってきているが、サムスンを見るとはるかに先をいっているのは事実。この上半期、パナソニックの大きな成果は、新興国市場でマーケット研究をした商品開発が、大きな成長につながるとわかったこと。このジャンルを徹底的にがんばっていく」とした。
パナソニックでは、年間の為替レートを7月発表時の1ドル89円から86円に変更したものの、2010年度年間業績見通しは、売上高8兆9000億円、営業利益3100億円と据え置いている。
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