同様に、Schmidt氏が描く未来の世界では、コンピュータが退屈している人にやるべきことを提案したり、娯楽を提供したりするため、「アイデアが欠乏することは決してない」という。これは、情報が瞬時に手に入ることが認知プロセスや「深い学習」に及ぼす影響について2010年に懸念を表明した人物が語った言葉である。
Schmidt氏がこれらの予測を行ったことが誤りだとか、見当違いだとか言っているわけではない。そのような未来への種は遠い昔に蒔かれている。しかしSchmidt氏とGoogleは、日常生活において人間の役割が軽視される未来を説くと、一部の人々がどれだけ動揺するかを全く理解していないようだ。
Googleに対する評価が2つに分かれるのはそのためである。一方の人々は、Googleが情報整理への取り組みによって世界を良い方向に変えていると考えており、もう一方の人々は、Googleが本当に望んでいるのはコンピュータ(具体的に言うとGoogleのコンピュータ)によって人々の生活を支配することだと考えている。
例によって、真実はその中間のどこかにある。Googleが示す未来は、意思決定のための情報を迅速かつ正確に提供することで、かつてない方法で人間の潜在能力を解放する可能性を秘めている。その一方で、人間が普段の行動に関してGoogleから指示を受けることに慣れてしまったばかりに、自分の周りにある新しいものを真に理解しようとするエネルギーを奮い起こせない(今よりも)怠惰な薄のろになってしまう可能性もある。
Schmidt氏は、自分やGoogleのエンジニアたちが、そのような懸念には根拠がないと考えている場合でも、ダボスで1月にしたように(上のリンクを参照)、懸念の存在をきちんと認めることがある。そうすることで、テクノロジの理想郷について説教することでは達成できない方法で、Googleはもっと人間的な企業になるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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