カリフォルニア州レイクタホ発--プライバシーを懸念する人々にとっては、Googleの最高経営責任者(CEO)のEric Schmidt氏によって、心配の種がまたいくつか増えたことになる。
Schmidt氏は米国時間8月4日、当地で開催のカンファレンスで、人工知能を使用すれば、コンピュータはインターネット上の任意の人物の写真を14枚撮影し、かなりの可能性でその人物を特定することが可能だと述べた。同じように、ロケーションベースサービスで収集したデータを使用すれば、誰かの居場所が分かるだけでなく、その人が次に向かう場所をかなり正確に予測できるという。
「非常に興味深いことだ。これはいい考えだろうか。それともよからぬ考えだろうか。もちろんテクノロジそのものはよくも悪くもない。ただ、社会の側は基本的に準備ができていない」(Schmidt氏)
Schmidt氏がこのようにコメントしたのは、テクノロジが社会をどのように変えつつあり、またどのように変え得るかを考えることをテーマにした新しいカンファレンス、Techonomyの冒頭だ。
同氏は、社会は直面するあらゆる変化に対してあまり準備ができておらず、「人々がその準備をする時期に来ていると思う」と述べる。
Schmidt氏は自分が1960年代に子ども時代を過ごしたことに触れ、こうした情報の記録は、自分自身も含めて、どんな人にとっても難しい問題だと語った。
「行儀の良いティーンエイジャーだったという人は挙手してほしい」とSchmidt氏が言うと、要職にある参加者たちからは、ほんの少ししか手が上がらなかった。
8月6日まで開催されるTechonomyは、Fortuneの元社員であるBrent Schlender氏や、David Kirkpatrick氏、Peter Petre氏のアイデアで始まったものだ。ほかには、Microsoft会長のBill Gates氏や、Sun Microsystemsの共同設立者Bill Joy氏が講演を行う。
Schlender氏は、このカンファレンスの主催者らは基本的には楽観的な見方を変えないと述べ、Petre氏もこの点に同調した。
「われわれは、自分たちで生み出した問題でも、そこから抜け出す手段を考え出す。この真実を、子どもや孫たちに示す必要がある」(Petre氏)
Schmidt氏は、情報収集をどう規制するかについて社会と政府が折り合いを付けることで、いずれは均衡が取れるだろうと述べた。Schmidt氏によれば、最終的な形としては、コンピュータは情報の蓄積や検索などの得意分野を行うことができ、一方で人間は直観的な洞察や問題解決に集中するようになるという。
「こうした力の分離は妥当なものだ」(Schmidt氏)
結局、Schmidt氏は、テクノロジは適切だとする一方で、問題に取り組む唯一の方法は「透明性をさらに向上させ、匿名性をなくすこと」だと述べている。
Schmidt氏は、非対称脅威の時代には「完全な匿名性は危険すぎる」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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