アップルの高い顧客満足度--競合他社との違いを生み出すアプローチ - (page 3)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年09月29日 07時30分

顧客を最優先に

 VanAmburg氏が言うように、評価の高いAppleの顧客アプローチを採用することに「消極的な」企業も多いが、その原因はそうした企業の本質的な部分にあるのかもしれない。南カリフォルニア大学マーシャル・スクール・オブ・ビジネスのクリニカルマーケティング教授であるIra Kalb氏によると、一部の企業は顧客志向というよりも技術志向であり、そのことは企業の優先順位付けに大きな影響を及ぼすという。

 iPhone 4のアンテナが批判の対象となったが、ユーザーに無償ケースを提供することで、Appleは顧客に対する体面を保つことができた。 iPhone 4のアンテナが批判の対象となったが、ユーザーに無償ケースを提供することで、Appleは顧客に対する体面を保つことができた。 提供:Josh Lowensohn/CNET

 「これらの企業の多くがAppleの顧客サービスを模倣しないのは、その重要性を理解していないからだ。それが大きい。顧客サービスを投資回収の手段ではなく、コストと見なしている」(Kalb氏)

 消費者向け製品を扱っている企業であれば、顧客の世話をすることが最大の関心事になるのが当然のことのように思えるが、実際はそうでないこともあるとKalb氏は言う。「特にこうしたコンピュータ企業の多くは、技術畑の人々が創設して経営している。このような人々は顧客よりもテクノロジに関心を持つことで悪名高い」(Kalb氏)

 顧客サービス、マーケティング、そしてテクノロジを詳しくない人にもわかりやすいものにすることなどは、顧客が企業に対して抱く印象を良くも悪くもする。長きにわたって高評価を得ているAppleの顧客サービスは、その点での違いを示すものだ。

 Appleと競合他社の重要な違いとしては、ほかにもAppleほど単一のビジョンの影響下にある企業はないということが挙げられる。同社では、最終的にたった1人の人物、つまりSteve Jobs氏の意見だけが重要であり、それは製品に関する決定や同社の経営方法にも当てはまる。これはすべての企業でうまく機能する方法ではない。ほとんどの大企業では、競合する課題や縄張りが存在し、それらがリソースをめぐって争ったり、製品に関するさまざまなビジョンを提示したりしている。Jobs氏のリーダーシップスタイルはそのような要素を排除するものだ。

 もちろんAppleがすべてを首尾良くこなしているわけではない。それを示す直近の例が「アンテナゲート」だ。この問題は、顧客が「iPhone 4」アンテナ設計問題へのAppleの対応に不満を感じたことから発展した。

 Appleは当初この問題に横柄な対応をしていたが、最終的にはiPhone 4の顧客にケースを無料で提供することで決着をつけた。ただし、Apple側は明らかに苛立ちを感じていた。それでも、既に顧客との関係を概ねうまく行っている企業にとって、その一件での教訓は有益なものだったとKalb氏は言う。そうした問題があったにもかかわらずAppleの顧客満足度が上昇し続けているのは、それこそが理由なのかもしれない。

 「アンテナゲートに対する反応に(Jobs氏は)ショックを受けたと思う。しかし、そのおかげでAppleの意識はさらに高まったとわたしは考えている」(Kalb氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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