これまで紹介してきたトンデモケータイ43機種、インパクトや話題性のありそうな機種を選んで掲載してきたわけだが、すべてが簡単に購入できたわけではない。「こんなケータイ、あるわけないだろ!」と皆さんが突っ込みを入れたくなるケータイの中には実は中国人ですら「そんなのありえない、使い道がない!」と見向きすらしないものもあったのだ。今や中国でもインターネットであらゆる情報が入手できる時代であり、トンデモケータイ系のニュースサイトも多い。また通販やオークションサイトでもトンデモケータイは日常的に取り扱われている。
そんな中で、筆者が入手に最も苦労したのはやはり「アノ」ケータイだ。さすがにどんなものでも素直に受け入れてしまう中国人民でも、アレだけは使い道に困ったのだろう。トンデモケータイショップをあちこち探してもなかなか見つからず、こればっかりは入手するのをあきらめてしまったくらいだ。だが執念はいつか実を結ぶもの、購入できたときはうれしくてうれしくてその場で店員さんと握手しつつ涙を流してしまったくらいだ!それほどまでに入手が困難だったアレとは、そう、史上最強のトンデモケータイといえる「ヒゲ剃りケータイ」だ!
なにせネットでたくさんの情報を見かけたにもかかわらず、香港でも深センでもお店で実際に売られている光景を目にすることが一度もなかったのだ。香港のショップでは「そんなもんあるの?どうせネタ写真だけでしょ」と相手にされず、深センでは「売れないからうちでは取り扱わない」とけんもほろろに断り続けられていたのだ。いくら中国人でもやっぱりケータイにひげそりなんてトンデモ過ぎたってことなんだろう。
一方、立派な銅像というかミニチュアのついた「始皇帝ケータイ」、これを売っていたショップは品ぞろえがそもそも変なものばっかりであり、いつ行っても客が全く寄り付いていなかった。店長らしき親父も趣味かネタで店をやっているような感じであり、店の前を通り過ぎる通行人に対しても呼び込みもせずにマイペース。私が立ち寄って始皇帝ケータイを気にしたところ「むむっ、この客はデキル!」と思ってくれたのだろうか、ニヤリとしながらさりげなーく巨大なパッケージを出してきたりしたのであった。こんなもん本当に誰が買うんだろうってケータイだったが、案の定そのお店はそれから数カ月で夜逃げ。やっぱり客が寄らないようなお店は中国でもやっていくのは難しかったか。あの親父の「ニヤリ」顔が二度と見られなくなるのが残念無念でもある。
また腕時計をセットにしたお得なのか売れ残りセットなのかよくわからない「デキる男のトンデモケータイ」、こちらは中国では全然人気がないようなのだが、インドや中東ではかなり売れまくっているらしい。香港のバックパッカーの集まるインド人ビル「重慶マンション」にもトンデモケータイがたくさん売られているが、この「時計セット」は一時期大ブームであった。中にはケータイじゃなく付属の腕時計の機能をしっかりチェックしているお客さん(インド系か中東系)もいたほどで、「ケータイに特徴がなければオマケでごまかせ」はこれからも新しいパターンが出てくるかもしれない。
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