Hewlett-Packard(HP)は米国時間9月13日、セキュリティおよびコンプライアンス管理製品を手がけるArcSightを1株あたり43.50ドル(総額15億ドル)で買収すると発表した。
ArcSightの「優れた技術」は、HPのハードウェア、ソフトウェア、およびサービスからなる既存のセキュリティ製品群を補完するものだと、HPは述べている。ArcSight製品を利用すれば、顧客はネットワーク、データセンター、およびアプリケーションにセキュリティ上の脅威その他の異常がないか監視できるようになる。
HPのSoftware & Solutions部門担当エグゼクティブバイスプレジデント、Bill Veghte氏は声明の中で次のように述べている。「セキュリティの観点から見て、企業を取り巻く環境には危険が多く、顧客のリスクおよびコンプライアンス管理システムには多大な負荷がかかっている。HPとArcSightが一緒になることで、顧客は自社アプリケーションを強化し、予防的にイベントを監視して脅威に対応できるようになる」
ArcSightの株価は13日午前の取引で約25%上昇し、HPが提示した1株あたりの金額前後で推移した。
HPは9月に入って、ライバルDellとの激しい争奪戦を制し、総額約24億ドルでストレージ企業3PARを買収することを発表したばかりだ。
Veghte氏は、13日午前の電話会見でArcSight買収を決めた理由を説明した。
特に公共のインターネットを通じてあらゆるものが結ばれている現在、従業員や顧客は接続性を当然のものとして期待するようになったとVeghte氏は言う。しかし、接続性が高まるのに伴い、巧妙化する脅威や攻撃のリスクも増大している。またリスクに対処する一方で、法規制面の要求も満たさなければならない。結果として、企業は自社を保護しつつコンプライアンス関連コストを抑えられる新たなアプローチを必要としている。
Veghte氏によれば、HPのIT管理ソフトウェアとセキュリティ製品群「HP Secure Advantage」にArcSightのセキュリティ製品が統合されることで、企業のIT部門はより幅広く活動を監視できるようになり、上述の新たなアプローチを実現できるという。
両社の製品が組み合わさることで、IT部門はすべての活動をリアルタイムで監視し、企業にとっての脅威やリスクを把握して、それらの脅威に対する措置を講じることが可能になるとVeghte氏は主張している。またArcSightのコンプライアンス関連製品は、企業が法規制のコンプライアンスを維持する上でかかるコストの削減にも役立つという。この新たなアプローチのもとでは、IT部門とセキュリティ部門が常にフィードバックを交換し、その情報をアプリケーションやサービスの設計担当者に還元することが可能になり、それによって従来の部門間の断絶が解消されるとVeghte氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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