しかし、そうはならなかった。このことが意味するのは、Googleは、Google Instantの人気が出て検索の革新者としての評価を固めるか、以前の検索方法を好むユーザーの怒りを買うか、どちらかということだ。Googleの幹部陣は、一般ユーザーの協力を得てどれだけGoogle Instantをテストしたか(おそらく「Google Buzz」のローンチの時のような失態を避けるためだろう)、そしてGoogleのインフラストラクチャへの負担にどれだけ時間をかけて対策を講じたかを、抜かりなく強調した。
Googleは8日のプレゼンテーションで、数年前からこの種類のインスタント検索結果に取り組んでいたが、同社のコンピューティングシステム上で稼働させようとすると大きな問題があったことを明らかにした。Googleのシステムは世界で最も高性能なシステムの1つだというのが大方の意見だ。開発当初のGoogle Instantによって、Googleのサーバへの負荷は当時の負荷レベルのほぼ20倍に増加したが、調整や改良を続けた結果、現在の負荷レベルの2倍から3倍という扱いやすい範囲にまで、負荷の増加を抑えることができた。
Googleにとっては上々のスタートのようだ。8日のある時点では、ユーザーがGoogle Instantで1文字の検索語を試してみたために、「Google Trends」はアルファベットだらけになった。その日の遅い時間でも、Google Instantはまだ「今日の急上昇ワード」の第1位だった。また、プロとアマチュアの両方の人々がGoogleの性能を試しているが、パフォーマンスの問題はほとんど報告されていない。低速のインターネット接続を利用している一部の人々から問題が報告された程度だ。
この変更がもたらす長期的な効果には注目する必要があるだろう。変更後程なくして、多くのSEOのコンサルタントが、Google Instantが自分のビジネスに与える影響を必死で探ろうとした。
Googleの著名な技術者であるBen Gomes氏によれば、まず、Google InstantがGoogleの検索結果の順位付けプロセスを変えることはないという。Googleの「Webmaster Central Blog」でもそうした懸念に素早く対応した。このブログでは、新しい検索結果ページが生成されやすくなるため、実際にはウェブサイトのインプレッション数(結果に表示されたサイトが検索ユーザーの目に触れる回数)が増加する可能性があることを示唆している。Googleは現在、1つの検索語句を入力するときに3秒間手が止まれば、1回のインプレッションとしてカウントしている。
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