しかし企業は、1文字の検索語に対する検索結果として表示されるように、自社ウェブページを最適化したいと考えるだろうか。「a」と入力して出てくるのは、「Apple」だろうか。それとも「Amazon」だろうか。今のところ、多くのユーザーの場合、それは「Amazon」だ。
Googleの製品開発担当ディレクターのJohanna Wright氏は、検索結果の順位付けと同様、Google Instantでの広告の順位付けに変更はないとしている。しかし、検索結果のインプレッションと同じように、広告のインプレッション数のカウント方法にも変更がある。Googleは現在、広告表示中にユーザーが入力を3秒中断した場合、または検索語の一部を入力した段階で、検索結果ページ内をクリックした場合に、1回の広告インプレッションを記録する。クリック数ではなく、インプレッション数に応じて料金を支払っている広告主は、方針を変える必要があるかもしれない。
Search Engine LandのDanny Sullivan氏によれば、確実と思われることが1つあるという。それは、検索マーケットのシェアを判断するこれまでの方法が使えなくなる可能性が高いことだ。Googleが、検索語入力の際の1回のキーストロークを、1回の「検索」とカウントすることなど、許されるはずもない。つまり、この業界を評価する人は、ライバルに対するGoogleの優位性を数値化するために、新しい方法を見つけ出すことが必要になってくる。
しかし、8日に行われたようなイベントからは、Googleにその優位がある理由が分かる。2005年、Appleの最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏は、Appleを熱愛する聴衆に「iPod nano」を紹介した際、同社(音楽プレーヤー市場ではGoogleと同じような立場にある)は一番の人気製品だった「iPod mini」を葬り去ろうとしていることを率直に認めた。さらに優れた製品を投入するためにだ。
もちろん、Googleは検索を葬り去ろうとしているわけではない。しかしGoogleは、たとえユーザーが今の方式を気に入っていても、さらに良いものを考え出したと請け合っている。
今ではiPod miniを覚えている人はほとんどいないかもしれない。Googleは8日、将来、ユーザーは静的な検索のことを覚えていないだろうと何度か述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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